花屋や花苗屋、寄せ植え販売を始めると、必ず出てくるのが「ゴミ」の問題です。
- 使い終わった苗ポットやトレー。
- 残った土。
- 割れた鉢。
- 枯れた植物。
- 使えなくなった園芸資材。
家庭でガーデニングをしていた頃なら、自治体のルールに従って普通に処分していたものもあると思います。
でも、仕事として花や植物を扱うようになると、同じようには捨てられません。
私自身、花苗のオンラインショップや寄せ植え教室を始めてから、この問題にぶつかりました。
それまで家庭でガーデニングをしていた私にとって、
「え?これって普通に捨てちゃダメなの?」
というところからのスタートでした。
そして調べていくうちに、
「これ、知らないまま家庭ごみに出している人も多いんじゃない?」
と思ったんです。
花や植物を仕事にしたい人にとって、仕入れや集客、販売方法はもちろん大切です。
今回は、私自身が実際に産業廃棄物の処理業者と契約した経験をもとに、花屋や花苗屋を始めるなら知っておきたい「産業廃棄物」と、その処理方法についてまとめます。
※事業で出るものすべてが産業廃棄物になるわけではありません。
廃棄物の種類・材質・状態などによって分類や処理方法は異なります。
実際に処分する際は、事業所所在地の自治体・都道府県や許可を受けた処理業者などに確認してください。
花屋・花苗屋では、思っている以上に廃棄物が出る

花屋や園芸店では、毎日のようにさまざまな廃棄物が出ます。
たとえば、
- 残土や使わなくなった土
- プラスチック製の苗ポット・トレー
- 陶器鉢・プラスチック鉢など
- 剪定した枝や枯れた植物
- レンガ・軽石などの園芸資材
- 肥料や薬剤類
- ビニールなどの包装資材
- 棚や什器などの備品
など。
これは花苗屋や園芸店だけの話ではありません。
普段の仕事の中で当たり前に使っているものの中にも、廃棄すると「産業廃棄物」に該当するものがあります。
一方で、土や枯れた植物、陶器鉢、肥料や薬剤などは、それぞれ材質や状態などによって分類や処理方法が異なります。
そのため、「花屋から出たゴミ」とひとまとめにするのではなく、それぞれ何に分類され、どう処理する必要があるのかを確認することが大切です。
「うちは生花や苗じゃないから関係ない」と思わず、仕事で使っている資材が何でできているのか、一度確認してみてください。
「少量だから家庭ごみに混ぜればいい」はNG
ここは特に伝えておきたいところです。
産業廃棄物に該当するかどうかは、「どれだけの量が出たか?」で決まるものではありません。
ごく少量だったとしても、事業活動によって出たものが産業廃棄物に該当するのであれば、適切な方法で処理する必要があります。
「ほんの少ししか出ないから」
「個人事業だから」
「自宅で仕事をしているからバレないでしょ」
という理由で、事業で出た廃棄物を家庭から出たゴミとして混ぜて出していい、ということにはなりません。
自宅で花苗販売や寄せ植え教室をしていると、家庭生活と仕事の境目が見えにくくなります。
だからこそ注意が必要です。
たとえば、自宅で自分が育てていた植物から出たゴミと、販売するために仕入れた植物から事業活動に伴って出た廃棄物。
さらに、産業廃棄物に該当するものについて処理を委託する場合には、許可を受けた業者への委託、書面による契約、マニフェストによる処理状況の確認など、排出事業者側にも守るべきルールがあります。
「他の花屋もみんな、普通に捨ててるみたいだし、大丈夫でしょ」ではありません。
事業者である以上、「知らなかった」では済まされません。
だからこそ、開業する前に自分の事業からどんな廃棄物が出るのか、どう処理する必要があるのかを確認しておくことが大切です。
違反すれば罰則が設けられているものもある
廃棄物処理法には、無許可での処理、不法投棄、不法焼却、委託基準違反、マニフェストに関する違反などについて罰則が設けられています。
違反内容によっては、懲役刑や高額な罰金が規定されているものもあります。
もちろん、
「苗ポットを1個間違えて捨てたら、即○千万円の罰金」
という単純な話ではありません。
違反の種類や内容によって適用される規定も罰則も異なります。
だからこそ、ネットで罰則の数字だけを見て怖がるのではなく、
が大切です。
じゃあ、どうやって処分すればいい?
ここまで読むと、
「じゃあ、実際どうやって捨てればいいの?」
と思いますよね。
私も一番困ったのがここでした。
私が実際に動いた流れは、だいたいこんな感じです。
- 仕事で出る廃棄物を書き出す
- それぞれの材質を確認する
- 自治体・都道府県の公式サイトで処理方法を調べる
- 分からないものは担当窓口へ問い合わせる
- 産業廃棄物に該当し、処理を委託する場合は、必要な許可を持つ業者を確認する
- 委託契約を結ぶ
- 持ち込み、または収集運搬を依頼する
- マニフェストなど必要な手続きを行う
問い合わせる前に、
- 何を捨てたいのか
- 材質は何か
- どのくらいの量が出るのか
- どのくらいの頻度で出るのか
- 自分で持ち込めるのか
- 回収してほしいのか
を整理しておくと、話がスムーズです。
たとえば「鉢」といっても、プラスチックなのか陶器なのかで材質が違います。
私の場合|実際に処理業者と契約しました

そこでまず、県の公式サイトで産業廃棄物について調べるところからスタート。
私の場合は個人事業で、廃棄物が毎日大量に出るわけではありません。
そのため、ある程度ためてからまとめて処理してもらう方法を選びました。
実際にやってみるまでは、
「個人事業なのに、ここまでするの?」
と思ったのを覚えています。
でも一度きちんと処理方法を決めてしまえば、
と毎回悩まなくて済みます。
開業すると「売ること」ばかり考えがちですが、仕入れたものが最後にどうなるのかまで考えておくことも、事業を続けるためには必要なんだなと実感しました。
廃業するときにも「捨てるお金」がかかる
そして、もうひとつ私が実際に経験して感じたのが、
始めるときだけではなく、辞めるときにもお金がかかる
ということです。
事業をやめると、
- 店舗や作業場で使っていた什器
- 売れ残った鉢や園芸資材
- 使わなくなった苗トレー
- 肥料や薬剤
- 包装資材
- その他、仕事用に購入したもの
などを整理する必要があります。
もちろん、すべてが産業廃棄物になるわけではありません。
ただ、
「事業をやめたら全部普通のゴミとして捨てればいい」とは限りません。
私自身、事業を始めた頃には、廃業するときの処分費用なんて考えていませんでした。
でも、物を仕入れて販売する仕事だからこそ、
ということは、開業前から知っておいて損はないと思います。
廃業するときに実際どんなお金が必要になったのかについては、和花人ブログでも詳しく書いています。
▼ 花苗販売をやめたときに実際にかかった費用についてはこちら
「捨てるところまで」が事業なんだと思う
花屋や花苗屋を始めようと思ったとき、
- どんな花を仕入れるか。
- どうやって販売するか。
- いくらで売るか。
- どうやって集客するか。
そんなことはたくさん考えます。
でも、
「売れなかったものはどうする?」
「割れた鉢は?」
「大量に残った資材は?」
というところまでは、なかなか考えません。
私もそうでした。
だから実際に事業を始めてから、一つずつ調べることになりました。
廃棄物処理は、花や植物を「仕事」にするなら避けて通れない部分でもあります。
仕入れて、販売して、最後にどう処理するのか。
そこまで含めて事業なんだと思います。
これから花苗屋や園芸店、寄せ植え販売などを始めたい方は、ぜひ開業準備のひとつとして、
「仕事で出るゴミはどう処理する?」
も一度調べてみてくださいね。





