雨の庭から、紫陽花を摘んで…。
切り花にして楽しむ紫陽花の飾り方と長持ちのコツ
梅雨の庭でふんわりと咲く紫陽花。毎年この季節になると、庭の紫陽花を見て「部屋にも飾れたらいいのに」と思う方も多いのではないでしょうか?
でも、「切ったのにすぐにしおれてしまった」「部屋では長持ちしない」と、残念な思いをしたことがある方もいるかもしれません。
実は紫陽花は、切るタイミングや切り方、水揚げの工夫次第でぐんと日持ちする花。ちょっとしたコツを知っていれば、梅雨の憂鬱な日々も、部屋の中でふわりと咲く紫陽花に癒される時間に変わります。
今回は、庭から摘んで室内で楽しむための“切り花としての紫陽花の扱い方”を、分かりやすくお伝えしますね。
1. 紫陽花を切るのに最適な時間帯は「朝の涼しい時間」

まず一番大切なのが「いつ切るか?」というタイミング。
植物は昼間に活動して、夜に休息するサイクルを持っています。朝は水分をたっぷり吸い上げているので、水が下がりにくく、シャキッとした状態で切ることができます。
おすすめは、早朝〜午前9時頃までの涼しい時間。
特に前日が雨だったり、湿度が高い日の朝は、紫陽花の花も葉も水分をしっかり含んでいて、切り花にするには絶好のタイミングです。
逆に、昼間や夕方に切ってしまうと、花が疲れていて水を吸い上げにくく、しおれやすくなってしまいます。
もしも、朝に時間が取れない場合は、涼しくなったタイミングで、切り取ってすぐにお花の真下ぐらいまでしっかりと深水につけて、涼しくやや薄暗い場所で一晩ほど置いておくと水持ちがよくなります。
「ちょっと涼しい朝の庭でハサミを片手に…」そんな時間を取るのも、梅雨の楽しみの一つになるかもしれませんね。

2. 紫陽花は「切り口」が命。長持ちする切り方のコツ

紫陽花は、茎の中がスポンジ状で水が通りにくいため、切り花にした時に水が下がりやすいのが特徴です。
でも、ちょっとしたひと手間で、長持ちするのでぜひチャレンジしてみてくださいね~!
◎おすすめの切り方:
- 斜めにカットして断面を広くする
- さらに、茎を十字に切り込みを入れる(2cmほど)
- もしくは、かなづちなどで軽く「茎の先をつぶして(割って)」水に触れる面積を増やす
このようにして、水が入りやすいように加工するのがポイントです。
もう少し長持ちさせたい時は、切った茎を少しだけ熱湯につける「湯揚げ」もおすすめ。1〜2cmの部分を10秒ほど熱湯に入れてから冷水に入れると、しっかり水を吸い上げるようになります。
この湯揚げをする場合は、湯気でお花が傷む場合があるため、新聞紙をお花の部分に巻いて保護してから行うのがおすすめです。
また、お庭の紫陽花を選ぶ時は、まだ咲き始めの若い紫陽花よりも、しっかり色づいた成熟した花の方が切り花に向いていて、長持ちしやすいです。
3.紫陽花の水はたっぷりが基本!むしろ多めが◎

紫陽花は水が下がりやすいお花のため、飾る前の吸水は大事なポイントの一つです!
カットした直後の紫陽花は、頭ごと水につけると長持ちします。
その状態で一晩は置いておきましょう。一晩置く際に、水の中に切り花用の水揚げ促進剤などを使うと失敗が少なくなります。
水揚げ促進剤は最近では100円ショップなどでも売っているのでぜひチェックしてみてくださいね。
そして、切り花として活ける際は、深水を心がけます。最低でも茎の半分以上は水に浸かるようにしましょう。
適切な水量と水替え頻度の目安
要点 | ポイント |
---|---|
水量 | 茎の3〜5 cmでもOKという一般的な花とは異なり、紫陽花は頭まで水に浸した方が回復力アップ |
水替え | 2日に1回の水替え+茎の切り戻しが、菌の繁殖を防ぐカギ!特に梅雨時期~夏は菌が繁殖しやすいため、こまめに花瓶も洗ってあげましょう。 |
再水補給 | 水が減ってきたらこまめに足してあげてください。水位が下がると茎が空気を吸ってしまい、水が上がりにくくなります。 |

ちょっとしたコツで、日常がぐっと豊かに
- 🔶 水は多め(水位高め):紫陽花は“花弁も水を飲む”ので、頭まで浸けるとみずみずしさが続きやすいです。
- 🔶 水替えは2日に1回:菌の繁殖を防ぐために水と茎の先端は忘れずにケア。花瓶はキッチン用のハイター等でケアすると◎。ハイター後はしっかり洗ってハイターが残らないようにしましょうね!
- 🔶 霧吹きや丸ごと水浴びも◎:花びらの乾燥対策として、霧吹きも効果的です。
部屋に紫陽花があるだけで、なんだか部屋の空気までしっとりとやさしくなるような気がしますね。
玄関先やカウンターの上、洗面台など、ちょっとした空間に透明のガラス瓶活けた紫陽花を飾るのも素敵です。
夏っぽさを出すのなら、花瓶ごと編みカゴに入れて飾るのも、風情があって素敵です!
お庭にさく紫陽花を「切って飾る」って、実はとっても贅沢な楽しみ方ですよね!
雨の日の静けさに包まれて、そっと紫陽花を部屋に迎えてみませんか?
あなたの暮らしに、小さな“花のごほうび”が訪れますように…。