8月といえば、日本人にとってとても大切な季節行事「お盆」があります。
ご先祖さまを迎えて感謝を伝えるお盆に欠かせないのが「お供え花」。
でも、真夏の暑さで生花がすぐに弱ってしまったり、最近では「造花」や「ハーバリウム」を使う方も増えています。
「造花ってマナー的に大丈夫?」「ドライフラワーはお供えしてもいいの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、現代のお盆花の選び方と、夏だからこそ気をつけたいポイントをまとめました。
そもそもお盆花とは?
お盆花とは、ご先祖さまをお迎えし感謝を伝えるためにお供えする花のこと。
地域によって違いはありますが、お盆花には「浄化」「供養」「感謝」といった意味が込められています。
代表的な花は…
✅ 菊:邪気を払うとされ、花もちが良いので定番
✅ 百合(ユリ):香り高く清らかな印象で仏花にぴったり
✅ りんどう:夏の仏花に多く、涼しげな青紫色が人気
✅ ほおずき:提灯の代わりに精霊を導く灯りの象徴として添える地域も
✅ トルコキキョウ:洋花だけどお供え花としても人気。やさしい色合いが上品。
【初盆(新盆)】は特別な供養の花を
初盆(新盆)は、故人が亡くなって初めて迎えるお盆のこと。
とくに手厚く供養を行う大切な行事なので、お供えする花も「清らかさ」「感謝」がより大切にされます。
初盆の花選びのポイント
✅ 白を基調にする
白い花には「浄化」「清浄」の意味があり、初盆では白を中心に選ぶのが一般的です。
✅ 派手すぎない上品な花を選ぶ
華美な色味は控え、淡い色味でまとめると心のこもった印象になります。
初盆におすすめの花例
- 白菊:仏花の王道。大輪の白菊は初盆らしい格式を感じさせます。
- 白百合:香りが強く、清らかな供養を演出。
- カーネーション(白・淡いピンク):想いを届ける花として近年人気。
- トルコキキョウ(白系):柔らかな花びらが優しい雰囲気。

【真夏のお供え花】花もちを良くするポイント
真夏の8月は生花がすぐに枯れてしまいがち。
お供え花をきれいに長く楽しむためには、ちょっとした工夫が大切です。
1. 花もちの良い花を選ぶ
菊・トルコキキョウ・リンドウなど、暑さに比較的強い花を選ぶと◎
2. 飾る場所に気をつける
直射日光や風が当たる場所は避け、涼しい場所に置きましょう。
お墓の場合も日中は高温になるので、参拝後は家に持ち帰って飾るのも一つの方法です。
3. こまめな水換えと切り戻し
夏場はお水が腐りやすいので、毎日お水を替え、茎を少し切り戻すだけで花もちがぐんと変わります。
花瓶にぬめりが出てくるまでに、キッチンハイターなどの漂白剤で花瓶を除菌すると更に長持ちします。
【最近増えている】造花やハーバリウムのお供えはアリ?

近年は生花以外に、
✅ 造花
✅ ハーバリウム
をお供えする方も増えています。
これは、暑い時期に生花がすぐに枯れて不衛生になったり、虫がわくのを防ぐため。
管理の手間を減らせることから、最近は「気持ちがこもっていればOK」と考える方も多いです。
ただし注意したいのは…
※お寺・霊園のルールを確認!
場所によっては造花やハーバリウムを禁止しているところもあります。
※供養の心を忘れずに!
便利だからといって、汚れたまま放置してしまうのは本末転倒。
定期的にお掃除したり、季節に合わせて替えるのがおすすめです。
【注意!】ドライフラワーのお供えは避けるのが無難

最近インテリアで人気の「ドライフラワー」ですが、お供え花としてはあまりおすすめされていません。
理由は、
✅ 「すでに枯れている」=死を連想させる
✅ 生花を供えるのは“命の尊さ”を表す意味がある
ためです。
とはいえ、家庭でお盆を簡単に行いたいときなどは「少しでも花を添えて感謝を伝えたい」という気持ちを大切にすれば、絶対NGではありません。
でも、一般的な仏花としては生花・造花・ハーバリウムのほうが無難です。
【供えた花を暮らしに取り入れる】現代の花時間

お供えした後の花を、そのままゴミにするのはもったいないですよね。
「ご先祖さまからのおすそ分け」として、家の玄関やリビングに飾り直してみましょう。
✅ 百合を玄関に飾って涼やかに
✅ リンドウを一輪挿しで食卓に
✅ ほおずきをガラスの器に浮かべて涼を楽しむ
こうした“供えた花を暮らしに活かす”アイデアは、心を整えるだけでなく、夏の花時間をもっと身近にしてくれます。
【地域の風習を大切に】自分らしいお盆花を探そう

お盆花は地域性が強い行事です。
「昔はどんな花を供えてた?」
「おばあちゃんはどんな風に飾ってた?」
そんな会話を家族でしてみるのも、お盆の大切な花時間。
便利さと伝統を両立しながら、ご先祖さまへの感謝の気持ちを「花」で伝えてみませんか?
まとめ|花を通して心を結ぶ真夏のお盆時間
✔︎ 真夏は花もちを意識した選び方&飾り方をする
✔︎ 造花・ハーバリウムはマナー的にOKの場合が多いが、ルールとお手入れは忘れずに
✔︎ ドライフラワーは避けるのが一般的
✔︎ 供えた花を暮らしに活かすのも◎
暑いからこそ、心を整えるお盆の花時間を楽しんでみてくださいね。