春の庭を華やかに彩る小さな球根花「ムスカリ」。
定番は青い小花の群生ですが、実はピンク・白・水色・八重咲き・グラデーションカラーといった多彩な品種が存在します。
この記事では、花屋としてオンラインショップで球根を販売していた経験と、ガーデナーとして自分の庭で育ててきた実践をもとに、秋植えにおすすめのムスカリ7品種をご紹介します。
春の庭づくりの参考にしてみてくださいね。
ムスカリおすすめ7選
1. ムスカリ「ピンクサンライズ (Pink Sunrise)」
淡い桜色(パステルピンク)がグラデーション的に入り、花穂の上部ほど薄くなるニュアンスカラー。
花穂はムスカリの中で標準〜やや細めで、可憐な見た目。
大きさ・草姿・開花時期
株全体の高さは約15〜18cm前後。
春(地域によるが4〜5月)の早い時期から中頃にかけて咲く。
育てやすさ・注意点
色が出にくい条件だとピンクが淡くなったり、ブルー寄りになったりすることがあるので、日照・冷涼さ・土の養分・球根の質を重視すること。
MIHOの経験から
私もオンラインショップ時代、ピンクサンライズはなかなか手に入らず、毎年数セット販売できたら良いほうでした。
球根での販売時に手に入れておくと良いと思います。
球根が手に入らなかった場合は、早春に開花ポット苗も一部のショップで流通するので、再チェックするのもオススメ。
どちらの場合も流通量がとても少ないため、早めにチェックしましょう!
2. ムスカリ「ホワイトマジック(White Magic)」
蕾の間は緑色で徐々に「純白」または「ほぼ白」と呼べるクリアな花穂に変わっていく。
ブルー系ムスカリの中では清潔感・透明感を感じさせる存在。
花の口周囲にごくごく薄く青みや淡色が入るものもあります。
大きさ・草姿・開花時期
高さは中~やや低め(10〜15cm程度)、葉先もすっきり。
春中~初春後期にかけて咲き、白がくすまないように光の取り込みと土の手入れが大事。
育てやすさ・注意点
多湿に弱いので排水性をよくすること。
白色を保つために葉の黄変や汚れに注意。
ほかの色(ピンク・淡色系)と合わせると白が引き立つ。
3. ムスカリ「バレリエフィネス(Valerie Finnis)」
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非常に淡いアクアブルー〜パステルブルーの色調で、目立ちすぎず庭の中に柔らかさを添える色合い。
花付きの良い品種。
大きさ・草姿・開花時期
草丈は約15〜20cm前後
日当たり~半日陰に耐え、春の中期(4〜5月)に開花。
寒冷地では遅め、温暖地では早めの場合あり。
育てやすさ・注意点
淡い色なので日照を確保することが大切(日陰だと色がくすみやすい)。
花茎がしっかりしているので、倒れにくいが風の強い場所ではグループで植えると安定する。
群植するとより柔らかな「青のマット」感がでる。
MIHOの経験から
バレリエフィネスは、海外では知られた存在ですが、日本ではほとんど流通していないため、ガーデンショップで見かけたらかなりラッキー。
見つけたら迷わず購入をおすすめします。
4. ムスカリ「ダブルビューティー(Double Beauty)」
花がしっかりした「八重」になっており、花の層(フローレット)が重なるタイプ。
色はオフホワイトから始まり、咲き進むにつれブルーへ変化します。
大きさ・草姿・開花時期
八重咲きのため花穂がややふっくらとした印象。
草丈は中程度、花数は少し少なめになることもあるが、全体の見た目のインパクトが強い。
他のムスカリと同じく春の中期(4〜5月あたり)が多い。
気温・日照によって若干前後。
育てやすさ・注意点
八重のため花穂が重く、風や雨で倒れやすいので支えるか、背がある植木鉢を使うと見栄えする。
※八重咲き品種は性質として通常品種よりも増えにくい/自然増殖が遅いことも多い。
MIHOの経験から
通常のムスカリよりも大きく厚みがあり、人目を惹きます。
高さのある植木鉢に植えると一層存在感が増しておすすめです。
あまりにも花穂が大きくなるため、雨の日などは倒れやすいのがやや難点ですが、見応え抜群!
5. ムスカリ「アズリューム/アズレウム(Azureum)」
おはよお
— りーくん (@riikun0114) April 11, 2025
ムスカリ.アズレウム pic.twitter.com/SCNaJC5Qx0
空色〜水色の花穂で、ベル形の花がやや丸みを帯び、通常のムスカリよりも花口が広く開くタイプ。
花一つひとつがぷっくりとして、見た目の存在感があります。
大きさ・草姿・開花時期
草丈は約10〜13cm程度で、葉数は少なめ(2~3枚)になる場合あり。
葉は灰みがかった緑色で、質感がしっかりしています。
春の中〜早春(3〜4月頃)に花を咲かせます。
育てやすさ・注意点
耐寒性があり自然増殖しやすいが、高温多湿の当地では夏の乾き/通気性に気を付けると良い。
日光が当たると色が引き立つ。
MIHOの経験から
私も大好きで庭に植えています。
透明感のある水色は、ピンクサンライズなどのパステル調と合わせるととても可愛らしくなります。
咲き進むと、半分「透明感のある水色」、もう半分は「鮮やかな濃いブルー」となったりするため、グラデーションがかって非常に美しい品種です。
個人的に「ブルー系が大好き」な方には全力でオススメしたいムスカリです!
6. ムスカリ「オーシャンマジック(Ocean Magic)」

「Ocean Magic」は名前が示すように海を思わせるブルー・深青〜ターコイズ系の美しい色合い。
上部は淡い色合いで、下部は濃いブルー。
通常、花穂はベル型またはやや開いたベル型で、ブルーのトーンが鮮やかな品種です。
大きさ・草姿・開花時期
群植向きで、中程度の高さでまとまりが良い可能性あり。
ボーダー(花壇の縁)やロックガーデン、またコンテナ植えでも利用される。
通常の春ムスカリと同じく、早〜中春。
気温が上がると花が開く。
具体的な月は地域による。
育てやすさ・注意点
色が強調される分、日照と涼しさが必要。
夏の蒸れを避ける。
水はけ良く。
7. ムスカリ「グレープアイス(Grape Ice/Muscari latifolium ‘Grape Ice’)」
ムスカリ グレープアイス✨
— ジャルダンドゥヴィオレ (@jardin_v_mami) February 17, 2021
グレープからスカイブルーへの
グラデーションが 美しい✨https://t.co/QT3FykoEuh#jardindeviolettes pic.twitter.com/WtmvvPAqrt
花穂の下部はグレープ(ぶどう)色を帯びた青〜紫の濃い基部から始まり、上部に向かって淡いライラック色や緑がかった蕾、先端が白っぽい花に変化するグラデーションが特徴。
先端の白=「アイス」の名前の由来にもなっています。
大きさ・草姿・開花時期
草丈はおよそ15cm前後で、花穂が比較的上向きに整い、美しい垂れや倒れが少ないタイプ。
葉は広葉系ではなく標準的なムスカリの葉。
球根サイズはおおよそ5cm前後。
春の中〜後期、花期は比較的長めでグラデーションができてから頂部が白くなる段階を楽しめます。
育てやすさ・注意点
雨や風で先端の淡色部が傷んだり汚れたりしやすい。
土の水はけ・風通し・葉の手入れが見栄え維持の鍵。
ムスカリ希少ランキング一覧(☆5段階評価)
花屋として店頭で球根や切り花を扱ってきた経験と、ガーデナーとして実際に庭で育ててきた感覚の両方を踏まえて、それぞれのムスカリを「どれくらい市場に出回っているか?」「手に入りやすさ」「珍しさの度合い」でランク付けしました。

カタログでよく見かけるものから、見つけたら即購入したいレア品種まで、参考にしてみてください。
品種名 | カラー系統 | 希少度 | コメント |
---|---|---|---|
ピンクサンライズ | ピンク系 | ★★★★★ | ピンクは非常に珍しく入手困難。毎年早期に売り切れることが多い。 |
ホワイトマジック | ホワイト系 | ★★★★☆ | 白系の代表格。流通はあるが人気が高く、品薄になることも。 |
バレリーフィニス | 水色系 | ★★★★★ | 海外では知られた品種だが、日本ではほとんど流通していないレアもの。見かけたら迷わず入手しておきたい。 |
ダブルビューティー | 八重咲きブルー | ★★★★★ | 八重咲きは極めて珍しい。流通量も非常に少ない。 |
アズリューム | 濃青系 | ★★☆☆☆ | 比較的丈夫で普及している。入手は容易。 美しさは一級品! |
オーシャンマジック | グラデーション | ★★★☆☆ | 新しめの品種で、園芸店によっては取り扱いが限られる。 |
グレープアイス | 紫×白バイカラー | ★★★★☆ | 個性的な色合いで希少。販売数は限られるが、知名度は高い。 |
まとめ
ムスカリは「青い小花の群生」というイメージが強いですが、実はピンク・白・水色・八重咲き・グラデーションカラーなど、想像以上にバリエーション豊かな花なんです。
今回ご紹介した7つの品種は、どれも春の庭を特別なものにしてくれる存在ばかり。
ムスカリは植えっぱなしでも毎年咲いてくれる手軽さも魅力。
秋に球根を仕込んでおけば、春には色とりどりの小さな花たちが、まるで絵本のような風景を作ってくれます。
「来年の春、どんな色の景色を見たいか?」を想像しながら、あなたのお気に入りのムスカリを選んでみてください。
きっと庭やベランダが、もっとワクワクする場所になりますよ。
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