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花屋の価格設定で悩む人へ|単価アップ前に考えたい7つの価値

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花屋の価格設定で悩む人へ。単価アップ前に考えたい7つの価値

~価格は「センス」ではなく「構造」で決まる~

「「うちの寄せ植え、もう少し高くしたいけど…売れなくなりそう」
「安くすると自分がしんどいし、高くするとお客様が離れそう」

——そんなふうに感じたこと、ありませんか?
私も花屋をしていたころ、何度もこの壁にぶつかりました。

でも今思うのは、価格って“感覚”ではなく“仕組み”で決まるということ。
つまり「どう見せて」「どう伝えるか」の構造次第で、同じ作品でも価値が変わります。

今回の記事の目次

1. 「高くても売れる」お店の共通点

価格を上げても売れるお店には、実は共通点があります。

それは、「価格の理由」が自然に伝わるような“設計”になっていること。

お客様は数字で買うのではなく、「納得」で買います。
その“納得”を生み出しているのが、次の「4つの要素」です。

① 花苗の「質」が高い

プロはもちろん、一般のお客様でも「なんか違う」と感じる瞬間があります。

それは、花の鮮度・ボリューム・色味・組み合わせに“丁寧さ”があるから。

たとえば同じビオラでも──
花首がしっかりしていて、葉色が濃く、花付きが良い苗はそれだけで印象が違います。
安い苗は一見お得に見えても、長持ちしなかったり、花姿が崩れたりしますよね?

MIHO

この「見た目の安心感」こそが、価格を支える第一条件。
“ちゃんと選ばれている”という信頼が、価格以上の価値を生むのです。

質=目に見える価値(Quality Value)
具体的な働き:プロ感・安心感を生む

私の仕入れ先を紹介!

私が花屋をしていた時に利用していたのが、リーフ屋さん(レークサイドナーセリー)さんです。

代表の中島さんは、全国の生産者さんを直接訪問し、自分の目で苗の状態や育成環境を確かめてから仕入れをされています。

そのため、本当に良質な苗だけを厳選し、全国にアソートで発送してくださるんです。

仲卸業者さんなので、市場価格よりは多少割高になりますが、「お店の顔」である苗の品質を確保するためには、これは必要経費だと私は思っています。

私も現役時代、仕入れの段階で品質が整うと、その後の寄せ植えの仕上がりや管理が驚くほどスムーズになりました。

結果的にクレームも減り、信頼度が上がる。
つまり“良い苗=売れる構造の土台”なんです。

苗の仕入れ品質を向上させたい方は、下記のInstagramからお問い合わせしてみてくださいね👇

📸 リーフ屋さん(レークサイドナーセリー)Instagram
👉 https://www.instagram.com/lakesidenursery0074/

※個人(一般)への販売はしておりません。
事業経営者・店舗オーナー向けの卸販売となります。

MIHO

お問い合わせの際は、「和花人ブログを見て連絡しました」とお伝えいただけると嬉しいです🌸

② 世界観に一貫性がある

高価に見えるお店って、どこを見ても“トーン”が揃っています。
花の色合い、鉢の素材、写真の背景、SNSの言葉づかい。
すべてに「その人らしさ」が感じられるんです。

世界観が整っていると、「この人の作品なら間違いない」と思ってもらえる。
それが“信頼”であり、“価格の裏づけ”になります。

一貫性=美意識の価値(Brand Value)
具体的な働き:統一された世界観で魅了する

③ 想いが伝わるストーリーが添えられている

お客様は、商品だけではなく「背景」を買っています。

たとえば…

「このビオラは早朝5時に市場で見つけた、とっておきの色合いです」

そんな一言で、寄せ植えが“物語”に変わります。

MIHO

花屋の仕事は、花を売ることではなく、「想いを届ける」こと。
価格の説明ではなく、「なぜこの花を届けたいのか?」という想い。
それが共感を生み、価値として伝わるんです。

ストーリー=共感価値(Emotion Value)
具体的な働き:心に残る“理由”をつくる

④ “その人から買いたい”という「信頼関係」

そして最後に、一番大きいのが“人”の力。
同じ商品でも、「誰が作ったか?」で感じ方は全く違います。

  • いつも「丁寧に対応」してくれる
  • 花のことを「心から愛している」のが伝わる
  • SNSで見ていて、その人の「想い」や「姿勢」に共感している

このような「人への信頼」が積み重なると、価格の壁は消えます。
「安いから買う」ではなく、「この人の作品が欲しい」に変わる。

MIHO

つまり“ファン化”です。
ファンは、価格で比較しません。
世界観・人柄・想いで選びます。

信頼関係=信頼価値(Trust Value)
具体的な働き:“誰から買うか?”を決める

2. 価格を上げる前に整えたい“3つの土台”

単価を上げるには、いきなり値段を変えるよりも「お客様が納得する理由づくり」が先です。

(1)見せ方の一貫性

写真、店内の雰囲気、ラッピング、言葉遣い。
どれも“世界観”として統一されていることが大切です。

SNSで見た印象と、実物を見た時の印象がズレていると、人は無意識に「ちょっと違う」と感じてしまいます。

「美しく整っている」というだけで、お客様は安心します。

(2)言葉の伝え方

価格の説明を「高い理由」で終わらせず、「価値の理由」として伝えることが大切です。

たとえばこんなふうに──

❌「手間がかかっているので高めです」
⭕「根鉢をほぐして、苗が自然に馴染むように仕立てています。
時間はかかりますが、仕上がりの柔らかさが全然違うんです。」

人は、“価格の理由”では動かないけれど、“想いの理由”には自然と心が動きます。

MIHO

花の説明は、スペックではなく“物語”で。
「どう作ったか?」より、「なぜこの作品を届けたいか?」を語ることで、あなたの作品が「商品」から「体験」に変わります。

(3)小さな関係を積み上げる

いきなり高単価ではなく、まずは“小さな信頼”から。

たとえば:

  • 500円〜1000円のミニブーケを「定期的」に販売
  • 「ワークショップ」や「プチギャザリング体験(1ユニット)」を開催
  • SNSで「育て方」や「管理」のコツを発信

この「小さな関わり」の積み重ねが“信頼”になります。
信頼があるからこそ、次に出す高単価商品が選ばれるのです。

3. 値上げ=「約束の見直し」

価格を上げるというのは、「お客様との約束を新しくする」ことでもあります。
そのために見直したいのが、この3つの要素です。

品質(使う花や苗の格)
→ 「安定した品質で、美しく長持ちする花を提供する」約束。
信頼できる生産者や仲卸を選び、素材そのものの価値を高めることで、お客様が安心して購入できます。

デザイン(仕上がりの完成度)
→ 「見るたびに心が動くような世界観で仕上げる」約束。
配置や色彩、器選びなど、花の“感情表現”までデザインに落とし込むことで価格に説得力が生まれます。

サービス(アフターフォローや接客)
→ 「買って終わりではなく、育てる時間も楽しめる」約束。
管理方法を添える一言や、質問に気軽に答える姿勢が“信頼価値”をつくります。

つまり、値上げとは“数字の変更”ではなく、“約束のアップデート”。
お客様の信頼を損なわないように、「何を大切にして、何を提供するのか?」を言語化しておくことが、
価格にブレのないお店づくりへとつながります。

4. 安くしても売れない理由

「安くしたのに売れない」──私も何度も経験しました。

でも、それは「価格が安い=魅力がある」ではないから。
むしろ“安い”ことで「価値の低いもの」と見られてしまうことすらあります。

たとえば、
「すごく安い寄せ植え」よりも、「丁寧に手をかけて作られた作品」のほうが、記憶に残ります。

花は“感情の贈り物”です。
人は「安いから買う」より、「心が動いたから買う」。

価格を下げるよりも、“共感価値”と“信頼価値”を高めること
つまり「なぜこの花を届けたいのか?」「どういう想いで仕入れているのか?」を伝える方が、よほど売上に直結します。

5. 価格設定を考えるときの“5つの視点”

価格は「数字」ではなく、「心理」のバランスで決まります。
特に花屋は感性の仕事だからこそ、次の5つの視点で見直すと、ブレずに設定できます。

自分の手間(時間)
→ 作業時間・仕入れ・準備・撮影・発送…すべて“仕事の一部”として計算する。

ここが抜け落ちている人が本当に多い

花業界では、「好きだから」「お客様のためだから」と、自分の時間を“タダの労力”として扱ってしまうケースがとても多いです。

でも、それを続けていると──
✔ 価格が正しく設定できず、
✔ 自分が疲弊し、
✔ 周囲からも「この価格が普通」と思われてしまう。

つまり、自分の時間を無料にしてしまうことで、“安さが当たり前”という構造を自分で作り出しているんです。

花を扱う仕事は、仕入れ・メンテナンス・撮影・接客・梱包・発送…見えない時間の積み重ねでできています。

だからこそ、

「この作品を届けるまでに、どれくらい時間がかかったのか?」
「それに見合う報酬を自分に払えているか?」

この2つを定期的に振り返ることが大切。

時間を“経費”として扱う意識を持つだけで、価格設定の基準が変わり、自分の仕事に誇りが戻ります。

MIHO

「好きなことを仕事にする」=「好きなことを無料でやる」ではありません。
好きだからこそ、正しく対価を受け取る。
それが、長く続けられる働き方の第一歩です。

原価の正確な把握
→ 花代だけでなく、鉢・土・資材・包材・送料・広告費まで含めて「真のコスト」を見直す。

ブランドイメージとの整合性
→ 価格が世界観と合っているか?
安すぎるとブランドが崩れ、高すぎると距離が生まれます。
“あなたらしい美意識”と価格の調和を大切に。

リピートを意識した設計
→ 一度の販売で終わらせず、「またお願いしたい」と思ってもらえる価格帯を意識。
たとえば、「お試しサイズ」と「特別仕様」の2ラインに分けるのも効果的です。

自分の心が喜ぶ価格か?
→ “やってよかった”と思えるか?ここが最重要!!
心が納得していない価格は、どんなに売れても疲弊します。

6. 単価アップの3ステップ

ステップ①:現状の見える化

まずは、感覚ではなく“数字”で現状を知ること。
売れ筋・利益率・作業時間・材料費を表にまとめてみましょう。

・どの作品が「好きだけど儲からない」
・どの作品が「地味だけど利益率が高い」
のかが見えてきます。
ここから“価格の根拠”が生まれます。

ステップ②:利益率の高い商品を伸ばす

“売れる商品”より、“残る商品”を育てる。

特に、見栄え重視で利益の薄い商品を減らし、手間が少なくファンがつく作品を定番化させる。

たとえば──
ミニギャザリング・スリット鉢シリーズ・リース型など、「原価が読めて再現性のある商品」に力を入れると、安定した売上が作れます。

ステップ③:価値を伝える発信を増やす

価格を上げる前に、まず“発信の中身”を整えること。

Instagramやブログで、花の育て方・仕入れ背景・作品の意図を言葉にする。
この“共感の積み重ね”が、価格の理解を高めてくれます。

プロのサポートで“見せ方と伝え方”を整える

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7. 「高くても欲しい」と思われる人になる

花屋を続けていくうえで一番大切なのは、「この人の世界観が好き」「この人の作品に惹かれる」と思ってもらうこと。

MIHO

高単価で売れる人は、技術や立地よりも、“信頼”と“共感”を積み上げている人です。

そのために意識したい3つの姿勢:

花の扱い方に「誠実」であること
→ どんなに華やかでも、花が苦しんでいる作品は伝わります。

自分の作品に「責任」を持つこと
→ 一つひとつの作品に「あなたのサイン」が入っているつもりで。

発信を通して「学び」や「想い」を「共有」すること
→ ただ売るのではなく、“学びと気づき”を届ける発信を。
「知る人が増える=信頼が積み上がる」構造です。

まとめ|価格は「信頼の結果」である

花の単価を上げる前に必要なのは、お客様との信頼を“構築する仕組み”です。

価格=信頼の結果。
数字を変えるより、まずは“伝わり方”を整える。
それが長く愛される花屋の第一歩です。

🌸 MIHOからのひとこと

私も昔、「これだけ頑張ってるのに、なんで売れないんだろう?」って何度も悩みました。
でも今は、価格を上げることより、“伝わる仕組み”を作ることの方がずっと大事だと思っています。

あなたの花がちゃんと届くように。
あなたの想いが、値札の向こう側に伝わるように。
今日の記事が、そのヒントになれば嬉しいです。

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