こんにちは、元花屋のMIHOです。
長い冬を越えて、庭に少しずつ変化の気配を感じ始める頃。
「そろそろ何かした方がいいのかな?」
「春の準備って、いつから始めるの?」
そんなふうに思い始めたら、それはもう、庭とちゃんと向き合えている証拠です。
春を迎える前の庭仕事で大切なのは、たくさん手を入れることではありません。
今日は、冬の終わりから春直前(だいたい1月下旬〜2月頃)にかけて、「やっていいこと」「まだやらなくていいこと」を元花屋の視点でお話しします。
春前の庭仕事で大切な考え方

冬を越えた植物は、まだ完全に目覚めていません。
外から見れば何も変わっていないようでも、土の中では、少しずつ春に向かう準備が始まっています。
① 春前に「やっていい」庭仕事
枯れた部分だけ、そっと整理する
明らかに枯れている枝や葉、虫食いのある枝や葉だけを取り除きます。
まだ生きているか迷う部分は、無理に切らず、春まで待ってOK。
春はすぐそこ。
判断に迷ったら「待つ」が正解です。
落ち葉の最終調整
冬の間、防寒材として役立ってくれた落ち葉。
春前は、
- 厚く溜まりすぎている部分を薄くする
- 蒸れそうな部分だけ軽く取り除く
程度で十分です。
全部きれいに取る必要はありません。
鉢や株元の様子を“見る”
- 芽が少し膨らんできていないか?
- 土がカチカチに固くなっていないか?
「作業」ではなく、観察する時間を大切にします。
毎日でなくても、ふと目を向けてあげるだけでOKです。
② まだ「やらなくていい」庭仕事
本格的な剪定
春前に切りすぎると、芽吹きを邪魔したり、樹形を崩す原因になります。
植え替え・株分け
気温が安定してからで十分。
焦って動かす必要はありません。
本格的な施肥
芽がはっきり動き出してからが基本。
この時期は、与えなくても困りません。
春前は、「何もしない」がいちばんの準備になることも多いんです。
③ 芽吹きのサインの見分け方
春が近づくと、植物は小さなサインを出し始めます。
- 芽の色が少し明るくなる
- 触ると張りを感じる
- 土がほんのり温かく感じる
このサインが見えたら、「そろそろ次のステップかな?」と考えれば十分。
MIHOカレンダーより、植物の様子を基準にすることが大切です。
④ 鉢植えを春仕様に切り替える準備
冬の間、軒下や風除けに置いていた鉢は、いきなり日向に出さないようにします。
- 数日〜1週間かけて、少しずつ移動
- 直射日光は避け、明るい日陰から
急な環境変化は、芽や葉にストレスを与えてしまいます。
⑤ 春を焦らないことがいちばんのコツ
花屋時代、春前に一番多かったトラブルは、「早くやりすぎた」こと。
- 剪定が早すぎた
- 肥料が早すぎた
- 日向に出すのが早すぎた
春は、一気には来ません。
寒の戻りを繰り返しながら、少しずつ、少しずつ近づいてきます。
冬を越えた庭に、ひとこと

冬の間、「何もしなかった」ことを不安に思っている方もいるかもしれません。
でもそれは、間違いではありません。
植物にとって、静かな時間は必要な時間。
春の芽吹きは、この冬の間に、もう準備が始まっているんです。
まとめ|春前の庭仕事は、待つための準備
春を迎える前の庭仕事は、
- 枯れた部分だけ整える
- 観察を大切にする
- 焦らず、動きすぎない
それだけで十分です。
芽吹きを急かさず、そっと見守ること。
そのやさしさが、春の庭をいちばん美しくしてくれます。
どうか、植物と一緒に春を迎える時間を楽しんでくださいね。

