こんにちは、元花屋のMIHOです。
春の庭や寄せ植えを一気に華やかにしてくれる花、アネモネ。
ベルベットのような花びらと、黒く輝く花芯。
同じ春の花でも、どこか大人っぽくて特別な存在感があります。
でも一方で、
- 翌年咲かない
- 球根を残したのに消えた
- 難しそう
と感じている人がとても多い花でもあります。
実はこの理由、アネモネには性格の違う3つのタイプがあることを知らないから。
今日はその違いと、失敗しない付き合い方をまとめます。
アネモネはすべて同じ植物ではありません
アネモネには大きく分けて次の「3系統」があります。
- 園芸品種(鉢・寄せ植え向き)
- 切り花品種(ミストラルなど)
- 原種系(シルベストリスなどの宿根草)
これらは見た目は似ていても、根のつくりと生き方が違う別の植物のような存在です。
① 園芸品種(アンアリス・シフォンダブルなど)

例:アンアリス、シフォンダブル、りりか、パンドラダブル、クラシカルピンク
これらは鉢植えや寄せ植え用に改良されたアネモネ。
株がコンパクトで、花数が多く、全体のバランスが良いのが特徴です。
秋〜冬に植え、寒さに当てて春に咲きます。
花後にしっかり葉を残して光合成させ、掘り上げて保存すれば翌年も咲く可能性があります。
② 切り花品種(ミストラルシリーズ)
#アネモネ ・ミストラル ワインレッド
— enタツ (@su203523) April 8, 2025
開花しました。
今季はアネモネの球根を10個植えたのに唯一咲いたのがこの1苗だけです🤮 pic.twitter.com/7m2sSJsVMC
例:ミストラル・ボルドー、ローサチアロ、アジュール、ビアンコセントロネロ
花屋で見る大輪アネモネの多くはこのタイプ。
花が大きく、茎が長く、色がはっきりしていて、切り花に最適です。
「ミストラルは難しい」と言われがちですが、実は基本条件(寒さ・排水・水やり)を守れば、育てること自体は難しくありません。
ただし、切り花用に花を大きく咲かせるため、株の体力消耗が大きく、翌年咲きにくいのが特徴です。
掘り上げ保存を前提にした“1年使い切り型”と考えるとストレスがありません。
③ 原種系(シルベストリスとパブニナの違い)
ここが、アネモネでいちばん誤解されやすい部分です。
シルベストリス(宿根タイプの原種)

- 地植えで毎年咲く
- 少しずつ株が増える
- 日本の気候にも比較的なじむ
- 丈夫で管理しやすい
花はシンプルな白が中心ですが、野の花のようなやさしい佇まいと、安定した生育が魅力です。
「毎年咲くアネモネがほしい」人にとっての正解は、このシルベストリス系になります。
パブニナ(塊茎タイプの原種)

一方で、パブニナ(Anemone pavonina)のような原種アネモネも存在します。
- 夏は完全に乾燥する気候で進化
- 冬に雨が降り、春に一気に開花
- 日本の高温多湿と梅雨に極端に弱い
鉢植え管理と、夏の乾燥保存ができないと、翌年ほぼ確実に消えてしまいます。
つまり、
「原種=丈夫」ではない
というのが、アネモネの落とし穴です。
シルベストリスとパブニナの違い
| 原種系 | シルベストリス | パブニナ |
|---|---|---|
| 原産地 | ヨーロッパ草原 | 地中海沿岸 |
| 根のタイプ | 地下茎(宿根草) | 塊茎 |
| 夏越し | 比較的得意 | 日本ではほぼ不可能 |
| 地植え | 可能 | 危険 |
| 難易度 | 低 | 非常に高い |
同じ「原種アネモネ」でも、育て方がまったく違う植物なのです。
なぜ「翌年咲かない」と言われるのか

それは、多くの人が塊茎タイプのアネモネを、宿根草と同じ感覚で育てているから。
塊茎タイプ(園芸品種・切り花品種・パブニナなど)は、
- 花を咲かせるために養分を使い切る
- 日本の梅雨で腐りやすい
という性質を持っています。
土のまま保存できる?
梅雨の湿気と高温で塊茎が腐りやすく、鉢や花壇の中で夏越しさせるのはかなり「リスク」があります。
翌年も咲かせたいなら、以下がもっとも確実です。
- 花後も葉を残す
- 葉が完全に枯れたら掘り上げ
- 風通しのよい場所で乾燥
- 紙袋などで冷暗所保存
少し手間ですが、これをしないと「消えた」と感じやすい花です。
目的別・アネモネの選び方
| 目的 | おすすめ |
|---|---|
| 寄せ植え・鉢で楽しみたい | 園芸品種 |
| 切り花を楽しみたい | ミストラルなど切り花品種 |
| 毎年咲かせたい | 原種系(シルベストリス) |
※ 原種の中でも、パブニナなど塊茎タイプは「上級者向け」です。
まとめ
アネモネは、ひとつの花ではありません。
3つの生き方を持つ植物です。
- 豪華さの「切り花品種」
- バランス重視の「園芸品種」
- 自然に生きる「原種系」
これを知るだけで、アネモネは「難しい花」から「選べる花」に変わります。
ぜひ自分に合ったアネモネを楽しんでみて下さいね!
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