― 花屋を辞めた私が感じた“本当の理由” ―
今日は少し、花業界のリアルな話をしてみようと思います。
「高額商品(寄せ植え)がなかなか売れない…」
これは、花屋さんなら誰もが感じる永遠のテーマではないでしょうか?
花屋の現実:「単価の壁」と「ロス」の恐怖

花屋の仕事って、見た目は華やかだけれど、利益率は決して高くありません。
1つの寄せ植えを作るにも、苗の仕入れ、鉢、土、資材…と原価がかさみます。
1万円以上の商品なんて、そうそう出るものではありませんよね…。
1つ廃棄しただけで、その分の仕入れがすべて赤字になる。
たくさん作って見せたい気持ちはあっても、「売れなかったら…」と思うと手が止まる。

これは、花屋を経験した人なら誰でも共感できるはずです。
なぜ高額商品(寄せ植え)は売れないのか?
でも、私は少し違うと思っています。
「お客様の気持ちになって考えよう」は正しいけれど限界がある
花業界でもよく聞く言葉があります。
もちろん、それは大切。
でも、冷静に考えてみると——
自分の子どもでさえ気持ちの全ては理解できないのに、初めて会うお客様の心を完全に理解するなんて、正直ムリです。
じゃあ、お客様の気持ちを理解していないから売れないのでしょうか?
私はそれも違うと思っています。
本当の理由:自分が“理解しきれていない”
高額商品(寄せ植え)が売れない理由を、私はこう考えています。
たとえば、自分が1万円以上の寄せ植えを“買った”ことがない場合、それを買うお客様の気持ちが想像しきれません。
1万円以上の素敵な寄せ植えが売っていたとしても、「うーん…高いな」と感じてしまう心理を、自分もどこかで共有しているんじゃないでしょうか?
自分が本気で「これ、欲しい!」と思える体験を持っていなければ、その魅力を最大限に伝えるのは難しいんです。
抽象的なイメージしか持てないと、抽象的な言葉しか出てこない。
“なんとなく良い”では、人の心は動かない。
「デザイン」や「技術」の問題じゃない
ここで私は「市場構造を疑う視点」を持ってみました。
「もっと寄せ植えのセンスを磨こう」
「写真を綺麗に撮ろう」
「インスタのリール動画を増やそう」
「インスタを毎日更新しよう」
私も今まで「売れない理由」は、こうした自分自身の努力が足りない、能力が不足しているからだと捉えてきました。
でも、今もう一歩踏み込んで考えると、”そもそも、高額な寄せ植えを買う行動自体が一般的ではない”可能性もあるんじゃないか?と思ったんです。
寄せ植えのような高額商品は、「ネットでポチッと買う」よりも「自分の目で見て選びたい」人が多いのかもしれない。
それなら、“買ってもらうこと”をゴールにしない設計が必要になります。
買うより“関わりたい”人が多い
私はこの仕事を辞めて少し客観的に見て、ようやく気づいたことがあります。
花を買う人の多くは、「商品」よりも「体験」を求めている。
それは、
- 自分の好きな花を「選ぶ」楽しみ
- 手を動かして「自分で作る」喜び
- 出来上がった瞬間の「感動」や「達成感」

つまり、“花に関わる時間”こそが、本当の価値なんです。
だから「買いたい」よりも「作りたい」「学びたい」人が増えている。
そして、それが“高額商品が動かない背景”でもあります。
じゃあ、どうすればいい?
ここからが本題です。
構造的に考えるとは?
構造化とは、簡単に言えば「お客様の感情の流れを設計すること」です。
人が商品を買う時の流れは、
知ってもらう → 興味を持つ → 好きになる → 行動(購入)する
この「4段階」で進みます。
でも私を含め、多くの花屋さんは、いきなり「買ってください」の「行動(購入)する」段階から始めてしまってるんです。
だから届かないんです。
“共感で終わらせない”仕組みを作る
「ファンはいるけど、収益にならない」
それは“共感”で止まっている状態なのかもしれません。
フォロワーがどれだけ増えても、お客様に対して「次に何をすればいいのか?」が見えないと行動にはつながらない。
「きっかけ商品」の考え方
いきなり高額商品を売るのではなく、“関われる小さな入口”をつくること。
例①:寄せ植え講師なら
- 無料:季節の寄せ植えポイント動画やチラシ配布(まずは自分のことを知ってもらう)
- 理解:ブログで花選びのコツを紹介(興味を持ってもらう)
- 共感:メルマガで花合わせの考え方や制作の裏話をシェア(継続的な関わり=ファン化)
- 行動:同テーマの寄せ植えキット(3,800円)販売(定期的な購入やリピーターにつなげる)
例②:オンライン花屋なら
- 無料:長持ちする花の飾り方やお手入れのコツを発信(まずは自分のことを知ってもらう)
- 理解:ブログで「花材の選び方」「季節ごとのおすすめアレンジ」などを紹介(興味を持ってもらう)
- 共感:「この雰囲気が好き」「この人のセンスが心地いい」と感じてもらう(継続的な関わり=ファン化)
- 行動:同系統の花を使った季節の花セットを販売(定期的な購入やリピーターにつなげる)
例③:アレンジメント作家・クラフト系なら
- 無料:作品の制作過程や裏話を投稿(まずは自分のことを知ってもらう)
- 理解:どんな想いで作品を作っているのか、素材や色選びの理由などを丁寧に説明(興味を持ってもらう)
- 共感:「この作家さんの世界観が好き」「この作品を見ると癒される」と感じてもらう(継続的な関わり=ファン化)
- 行動:数量限定の予約販売や季節の新作案内(定期的な購入やリピーターにつなげる)
こうした“小さな入口”が、共感を“行動”に変えます。
では、ここからどうやって高額商品につなげるのか?
「ファン」ができて、「共感」が育ってきたら、次は“信頼を深める設計”です。
① 小さな「成功体験」を感じてもらう(=きっかけ商品)
寄せ植えキットなどの低価格商品で「買ってよかった」「可愛い」「届いて嬉しい」
という成功体験をしてもらうと、次への信頼が生まれます。
② 学びを通して理解を深めてもらう
「この人の花選びには理由がある」「この世界観にはストーリーがある」
そう感じてもらうことで、”この人の作品=特別な価値”という認識が自然に育ちます。
③ 売るのではなく“お願いされる”流れを作る
共感と信頼が積み上がると、お客様の方から
・「先生の寄せ植え、私にも作ってもらえますか?」
・「あの作品、オーダーできますか?」
と声がかかるようになります。
この状態こそが、高額商品の入り口です!
④ “モノ”ではなく“体験”をセットで販売する(=高額商品)
高額商品を単なる“モノ”として売ると、「高い」「迷う」という壁が生まれます。
・完成品+制作動画
・オーダー+制作過程の写真+使用花材リスト
・花材セット+「オンラインレッスン券」付き
など、“体験要素”をセットにすることで、お客様は「ただ買う」ではなく、「一緒に作った気持ち」「学んだ実感」を持てるので、価格より“体験価値”で判断してくれます。

④の段階では「作品を買う」というより、「私の世界観を体験してもらう」感覚で販売していくのがポイントです。
⑤ 信頼を積み上げ、関係を育てる
高額商品が一度売れたら終わりではなく、リピート企画や限定レッスンなどで“次の体験”を用意する。
これが長く愛される仕組みです。
全体構造をもう一度整理するとこうなります
ステップ | 内容 | 目的 | 対応する商品 |
---|---|---|---|
① 小さな成功体験を感じてもらう | “きっかけ商品”を通して満足・信頼を得てもらう | 「この人の花は安心できる」 | 低価格(3,000〜5,000円前後) |
② 学び・体験で理解を深めてもらう | 世界観や考え方を知ってもらう | 「この人のセンスが好き」 | 中価格(5,000〜10,000円前後) |
③ 売るのではなく“お願いされる”流れをつくる | 関係性と信頼が深まる状態 | 「あの人にお願いしたい」 | 導線構築の段階 |
④ “モノ”ではなく“体験”として販売する | 高額商品(寄せ植え・オーダー作品など)を“特別な体験”として届ける | 「高いけど価値がある」「自分のご褒美にしたい」 | 高価格(1万円〜) |
⑤ リピート・紹介で信頼資産を育てる | 長期的な関係を構築 | 「またお願いしたい」「人に紹介したい」 | ファン・リピーター層 |
まとめ|高額商品が売れないのは“構造の欠如”
私は今になって思うんです。
多くの花屋さんは、
良い作品を作って、綺麗に写真を撮って、SNSにアップする。
でも、その先に
「どう知ってもらうか?」
「どう好きになってもらうか?」
「どう信頼してもらうか?」
っていう“お客様が買うまでの道”を用意していない。
人は、突然高いものを買うのではなく、小さな関わり(体験)の積み重ねの中で“信頼”が育ち、その結果として購入が起こる。

だから私は、デザインとかセンスも大事だけど、それよりも“どう伝わるか?”“どう関わってもらうか?”を考えることの方が大切なんじゃないかなって思います。
デザインは「見せ方」
構造は「伝わり方」
この2つを両輪で考えられる人こそ、高単価でも“お願いされる花屋”になっていくのだと思います。
最後に
そしてもし、この記事を読んでいるあなたが今、「頑張ってるのに売れない…」と感じているなら、もしかしたら、商品自体よりも“流れの設計”を見直すタイミングかもしれません。
いきなり高額なものを売る必要はありません。
まずは「関わるきっかけ」を作ることからでいい。
その小さな積み重ねが、やがて“信頼”という土台を育て、気づけば「あなたにお願いしたい」と言われるようになります。
焦らず、信頼を育てながら。
自分の花の世界観を、少しずつ伝えていけたらいいですね🌷
次回の記事では「花屋の価格設定で悩む人へ|単価を上げる前に考えたいこと」についてご紹介します。
お楽しみに…♪
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