こんにちは、元花屋:和花人(わばなびと)のMIHOです!
花と暮らしを大切にしたい方に向けて、日々のガーデニングの楽しみ方や季節の花の情報をお届けしています。
今回のテーマは、私が毎年心待ちにしている「ラベンダーのドライフラワーづくり」。
5月~7月頃にかけて満開になるラベンダー。
ふわっと広がる癒しの香りと、ナチュラルで優しい姿が魅力のラベンダーは、ドライにしてもその美しさが長く楽しめる花です。
今回の記事では、ラベンダーのドライフラワーの作り方から収穫のコツ、摘み取る位置、処分や再利用の方法まで、まるっとご紹介します!
ラベンダーの香りが好きな方、季節の彩りを暮らしに取り入れたい方、ドライフラワーに興味がある方にぜひ読んでいただきたい内容です。
ラベンダーを収穫するベストなタイミングは?


ラベンダーは開花のタイミングによって、ドライにしたときの仕上がりが大きく変わります。
この時期を選ぶことで、
・色が鮮やかに残りやすく
・花が落ちにくく
・香りも最も強く閉じ込められる
という、ドライフラワーにとって理想的な状態になります。
ポイントはここ!
- 下の方の花が少し開き始めている
- 全体的に紫色が濃くなっている
- 触るとほんのり香りが立ちのぼる
満開を過ぎると花がぽろぽろ落ちやすくなり、色もくすみがち。ドライ後の見た目が大きく変わってしまうので要注意です。

ラベンダー収穫のベストな「時間帯と天候」

朝露が乾いたタイミングでカットすることで、
- 花が濡れていない=カビのリスクが少ない
- 植物が最も水分を多く含んでいる時間帯のため美しく仕上がる
- 朝は気温が低く、花が最も元気な状態のため切り口の傷みが少ない
- 精油成分が濃縮されていて香りがよい
- 乾燥スピードが安定する
といったメリットがあります。
曇りの日や湿度の高い日を避けて、できるだけサラッとした空気の中で作業すると良いですよ。
ラベンダーの「摘み取り位置」にもひと工夫を

ドライフラワー用にラベンダーを摘み取るとき、「せっかくなら、次の花も咲かせて長く楽しみたい」と思いますよね?
そんなときに大切なのが、「どこで切るか?」という摘み取り位置。
ラベンダーは低木なので、年数が経つと株元の茎が茶色く固くなり、「木質化」してきます。
この木化した部分を切ってしまうと、再び芽が出る力が弱くなり、次の花が咲きにくくなってしまうのです。
かといって、あまり上の方で切ってしまうとどんどん大きくなってしまうため、できるだけ木質化している部分に近い「新しく伸びた茎」をカットしましょう。
おすすめのカット場所:
- 緑色の若い茎の部分(今年伸びた茎)
- 葉っぱのすぐ上でカットすると、そこから新しい芽が出やすくなります
もしドライ用に長めの茎が欲しい場合でも、木化している部分より少し上で切るようにしましょう。
【私流】ラベンダーのドライフラワーの作り方(吊るすだけでOK!)

ラベンダーは、ハンギング(吊るす)スタイルで簡単にドライにできます。
ここでは、初心者さんにもおすすめの「基本の乾燥法」をご紹介します。
準備するもの
- 収穫したラベンダー(10〜20本ずつ)
- 麻ひも or 輪ゴム
- 洗濯ばさみやS字フック
- 風通しの良い室内(※直射日光は日焼けで変色するためNGです)
手順
① 束ねる
花の茎を揃え、10〜20本ほどずつ輪ゴムか麻ひもでまとめます。
※ポイントは、乾燥中に細くなるので、輪ゴムは少しきつめに絞めておきます。
② 逆さに吊るす
束の根元を麻ひもで結び、S字フックや洗濯ばさみを使って、
「空気が循環している風通しの良い日陰」に逆さに吊るします。
③ 乾燥期間:1〜2週間
気温と湿度によりますが、目安は2週間。
梅雨時など湿気が多い時期は、除湿機や扇風機を併用するのがおすすめです。
④ 完成チェック!
乾燥後のチェックポイントはこの3つ!
- 茎がポキッと折れるくらい硬くなっている
- 花の色がしっかり残っている
- 花の部分にカビや変色がない

よくある失敗とその対処法

✖ 花が黒ずむ・変色する
→ 開花しすぎていた、または乾燥中に日が当たってしまった可能性が。
収穫時期と置き場所を見直しましょう。
✖ 香りがしない
→ 開花前にカットしすぎた、あるいは雨の日に収穫した可能性があります。
香りを重視するなら「晴れた日の3分咲き」がポイント。
✖ カビが生えた
→ 保管場所や飾っている場所に湿気がこもっていたり、束が太すぎたかも。
少ない本数で束ね、風通しの良い場所で乾燥させましょう。
香りも飾りも楽しめる!ドライラベンダー活用アイデア

ラベンダーは、ドライにしても暮らしの中でいろんな楽しみ方ができます。
おすすめの使い方
- インテリアに
アンティークの瓶やかごにラベンダーをさっと挿すだけで、ナチュラルなお部屋に。 - サシェ(香り袋)
乾燥させた花を小袋に入れ、クローゼットや枕元に。虫除けにも◎ - ハーブバンドル
麻ひもで束ねて、リボンを巻けば素敵なギフトに。
防虫・浄化の意味もあるので玄関に飾るのもおすすめ。 - ラベンダーバス
乾燥花をお茶パックなどに入れてお風呂へ。
リラックス効果抜群のハーブ風呂になります。
使い終えたラベンダー、どうやって処分する?

ふんわりと癒しをくれたラベンダーのドライフラワー。
けれど、いつかは「ありがとう」と手放すときがやってきます。
自然のものだからこそ、永遠には持ちません。けれどその変化さえも、時の流れを感じさせてくれる、優しいサインだと思っています。
色が変わってきたら…
ラベンダーはドライにすると、最初は鮮やかな紫や青紫の色合いが楽しめますが、半年〜1年ほどで少しずつ色あせてきます。
時間が経つと、くすんだ灰色や茶色っぽく変わり、アンティークな風合いになることも。
「この色も好き」という方もいれば、「ちょっと飾るには寂しくなったかな」というタイミングで手放すのもアリです。
香りが薄れてきたら…
ラベンダーの魅力といえば、やっぱり“あの香り”。
でも香りは空気中に少しずつ揮発していくので、半年〜1年でふわっと感が薄れていきます。
香りがほとんどしなくなったときは、捨てるのではなくポプリやサシェにして「第二の活躍」をさせるのもおすすめ。
お茶パックに入れてクローゼットや引き出しにそっと忍ばせると、気持ちがふっと和らぎますよ。
花がボロボロ落ちてきたら…
触るたびにぽろぽろと花が落ちるようになってきたら、それも「そろそろお疲れさま」のサイン。
花びらや茎が崩れてきたら、飾っていてもホコリがたまりやすくなったり、お部屋が散らかりやすくなります。
捨てるときのマナーも丁寧に
ドライフラワーを処分するときは、ラベンダーの花材と一緒に使っていたワイヤーやリボンを外して分別してから、地域のルールに従って可燃ごみに。
もし気持ち的に「そのまま捨てるのがなんだかもったいないなぁ」と感じるときは、リースの土台に少し残したり、ほかの花材と組み合わせてリメイクするのもひとつのアイデアです。
こんなふうに「再利用」もおすすめ
- サシェにする
香りが残っていれば、袋に入れてタンスやバッグに。 - ポプリにする
他のドライハーブと混ぜて、インテリアにも。 - キャンドルや石けんの飾りに
少量ならアロマクラフトにも使えます。
ラベンダーをドライにする楽しみとは

ラベンダーのドライフラワーづくりは、ただ「残す」だけの作業ではありません。
その香り、色、手を動かす時間すべてが、日々の暮らしに「余白と癒し」を与えてくれます。
自然のリズムに寄り添って、季節を丁寧に味わう。
そんな暮らしのひとつとして、ラベンダーのドライフラワーはぴったりです。
まとめ|ラベンダーと向き合う時間も「癒しのひととき」
ラベンダーを摘んで、束ねて、吊るして、飾って…
その一つひとつの過程が、日常にやさしさと静けさを運んでくれます。
植物は、手をかけたぶんだけ心に残る。
季節の巡りを感じながら、ぜひあなたの暮らしにもラベンダーを取り入れてみてくださいね。




