春の訪れとともに咲き誇るチューリップ。
花壇や鉢、寄せ植え、切り花など、あらゆるシーンで楽しめる人気の球根植物です。
けれど実際には、
- 「いつ植えればいいの?」
- 「毎年咲かせるにはどうしたらいい?」
- 「どこで買えば珍しい品種が手に入るの?」
など、ちょっとした疑問や工夫が必要な花でもあります。
この記事では、元花屋である私MIHOが、チューリップの育て方と楽しみ方を“プロ目線&主婦目線”で解説します。
さらに、仕入れ時の裏話や人気品種の争奪戦の実態まで、本には載っていない「リアル」な情報もお届け!
チューリップの育て方|基本を押さえれば失敗しない

● 植え付け時期は「秋」一択!
【目安】
・北海道・東北:10月上旬〜下旬
・関東〜中部:10月下旬〜11月中旬
・関西以西:11月中旬〜12月初旬(遅霜に注意)

最近は球根の販売も早くなってきているため、希少品種などは事前にチェック!
普通の品種も12月に入ると販売が終了する物も多いため、11月中には購入・植え付けを済ませたいところです♪
● 球根の向きと深さに注意!

- 「尖った方を上」にして植える
- 深さは球根の高さの約3倍
- 球根同士は5〜10cmの間隔
鉢やプランターでは密植ぎみに植えると見栄えがよくなります。
反対に、花壇ではある程度スペースを取って植えることで風通しもよく、病気予防にもなります。
● 水やりと管理方法
- 植え付け後はしっかり水やり
- その後は乾いたら与える程度でOK
- 霜が降りる地域では、マルチング(敷き藁など)で保護を
春先、葉が伸びてきたら乾燥しすぎないように注意。
花が終わった後もすぐに掘り上げず、葉が黄色くなるまで光合成させることで球根に栄養が戻ります。
チューリップをもっと楽しむ工夫|花屋目線でアドバイス

● 寄せ植えに「仕込む」テクニック
冬〜早春の寄せ植えに、チューリップの球根を仕込んでおくと、春になって思わぬ開花が楽しめるサプライズ寄せ植えに。
おすすめの組み合わせ:
- 葉牡丹×チューリップ(春のコントラスト)
- ビオラ×チューリップ(長く咲く花同士)
- 原種チューリップ×宿根草(ナチュラル感◎)

特に、原種系チューリップは小ぶりで繊細なので、ナチュラル系の寄せ植えにぴったりです。
● 花色のコーディネートを楽しむ
同じチューリップでも色の合わせ方で印象がガラッと変わります。
配色テーマ | 組み合わせ例 |
---|---|
大人エレガント | ・ブラック系× 筋入りパープル系 ・ブラック系 × ホワイト系 |
春の陽だまり | ・アプリコット系 × 淡いイエロー系 |
大人可愛い | ・ブラック系 × 淡いピンク系 |
モダン個性派 | ・ブラック系 × アンティーク系(ラ・ベルエポックなど) |
特にアンティークカラーや黒系紫系は、一気に上質な雰囲気になります。
こんにちは☀️
— ♰スモーキー♰ (@Smoky56196576) May 14, 2024
🌷スモーキーガーデン日記✏️🌷
八重咲きチューリップ🌷
[ブラックヒーロー]咲きました👏#植物観察 #ガーデニング #ハンドメイド作品アーティスト pic.twitter.com/XDwr68KvuE
元花屋の裏話|チューリップの仕入れは“争奪戦”!

実は、チューリップって「どこでも買える」ようでいて、花屋でも人気品種はなかなか手に入りません。
私がオンラインショップと店舗両方で花屋をしていた頃、毎年秋になると仕入れリストとにらめっこ。
特に個性派・原種系・黒系の球根は、予約開始から即完売、再入荷なし…ということも珍しくありませんでした。
\ ほんの一例ですが… /
- 「アルバ・コエルレア・オクラータ」→ 仕入れ数3セットだけ
- 「ラ・ベル・エポック」→ 入手困難
- 「グレイ」や「ブラックチャーム」→ 情報すらほぼ出てこない年も
一般の方が「ネットで探しても全然ない!」と感じるのも無理はありません。

球根は夏の終わり〜秋の初めには予約注文がおすすめ。
9月中にリストを作っておくと安心です!
園芸店のLINE登録などをしておくと最新情報を入手しやすいです。
購入時の注意点とポイント
✅ 球根の状態チェック
- ぶよぶよしていないか(カビや腐敗のサイン)
- カビ臭がしないか
- 芽が出すぎていないか(春咲きに影響)
✅ 購入タイミング
- 希少品種は8〜9月に予約販売開始
- 一般的な品種でも10月には動き出したい
✅ おすすめの購入方法
楽天やAmazonでの購入は注意!
「届いたら状態が悪かった」「思っていた色と違った」などのレビューもあるので、信頼できるショップから選ぶことが大切です。
購入時の注意点|希少品種は秋の早い段階で完売することも
近年、SNSや園芸系インフルエンサーの影響もあり、アンティークカラーや黒・紫・原種系などの個性派チューリップの人気が急上昇しています。
中でも、
- アルバ・コエルレア・オクラータ
- ブラックチャーム
- ラ・ベル・エポック
といった希少種は、毎年争奪戦になるほどの人気で、実際に2025年も9月中旬の時点で完売表示・非売品扱いとなっているショップも複数確認されています。
特に「アルバ・コエルレア・オクラータ」は“幻の青いチューリップ”とも呼ばれ、一般流通量が非常に少なく、花屋でも仕入れが難しいレベル。
元花屋だった私も、仕入れられても毎年数セットのみで、即完売していた記憶があります。
希少性ランキング
希少チューリップは「早めに動かないと手に入らない」ことが多いです。
特に黒・紫・原種系といった個性派チューリップは、夏の終わりにはすでに予約が始まり、9月中旬には完売している品種も珍しくありません。
そこで、今回は「元花屋」の視点で、実際に仕入れが難しかった/人気ですぐ売り切れたなどの体感も含めて、希少性ランキングを作ってみました。
「あのチューリップ、気になってたのに売り切れてた…!」とならないために、ぜひチェックしてみてくださいね
ランク | 品種名 | 希少性 | 備考 |
---|---|---|---|
★★★★★ | アルバ・コエルレア・オクラータ | 激レア・流通極少 | 幻の青いチューリップ。非売品・完売表記多。9月中旬には終了する年も。 |
★★★★★ | ラ・ベル・エポック | 業者間でも取り合いに。色変化・見た目が美しいので人気が高く激レア | 限定供給・9月中旬にはすでに売り切れが毎年見られる。 |
★★★★★ | ブラックチャーム | 非売品扱いも | 一部では“非売品”表記。SNSでも入手困難との声。 |
★★★★☆ | カフェ・ノワール | 数量少・見かけにくい | 黒チューリップの中でも出回り少なめ。 |
★★★★☆ | グレイ | レア色味&取扱い店舗少 | グレイッシュな希少カラー。通販限定の場合も。 |
★★★★☆ | ポール・シェラー | 高級感あり希少色 | 黒に近い赤紫が魅力。定番だけど店舗数は限られる。 |
★★★☆☆ | クイーン・オブ・ナイト | 有名な黒系・やや入手可 | 人気だが時期を逃すと売り切れも。 |
★★★☆☆ | ブラック・ヒーロー | 八重咲き・定番 | 黒系で八重咲き、ファンが多いがまだ入手しやすい。 |
★★☆☆☆ | フレーミングフラッグ | 目立つが在庫多め | 紫×白の絞り模様。見栄えは良いが入手は容易。 |
★★☆☆☆ | バックパッカー | 通販中心・ややマイナー | 鮮やかパープルが美しいが、レア度は中程度。 |
▼アンティーク色のチューリップはこちらの記事をどうぞ

▼ブラック×パープル系のチューリップはこちらの記事をどうぞ

まとめ
チューリップの球根選びは、まるで宝探しのよう。
アンティークカラーや原種系、黒紫系など、個性的な品種は花屋時代でも争奪戦になるほどの人気で、9月中旬には完売してしまうものもあります。
だからこそ、
「これだ!」と思う子に出会えたら、迷わずお迎えしてみてください。
植え方や管理方法もそこまで難しくありません。
尖った方を上にして、深さは球根の3倍、間隔は5〜10cmを目安に土へそっと寝かせれば、春にはふっくらと咲き誇る姿に出会えるはず。
この記事で紹介したような珍しい品種に出会えたら、それはもう “チューリップ沼” の入り口かもしれません(笑)
季節ごとの寄せ植えや花壇づくり、ドライフラワーやブーケへの活用など、楽しみ方は無限大。
今年の春は、あなただけの“推しチューリップ”と一緒に迎えてみてはいかがでしょうか?
項目 | ポイント |
---|---|
購入時期(※レア品種の場合) | 夏終わりからチェック開始!9月上旬にはGET |
植え付け時期 | 10〜11月(遅くとも12月初旬) |
場所 | 日当たりと水はけの良い場所 |
水やり | 植え付け直後はたっぷり/その後は控えめに |
花後の管理 | 葉を枯れるまで残し、栄養を戻す |
球根の保存 | 掘り上げ→陰干し→風通しの良い場所で保管 |
買い方 | 夏〜初秋の予約注文がベスト |
楽しみ方 | 寄せ植え、色合わせ、原種でナチュラル系も◎ |
▼秋の庭仕事はこちらの記事にまとめています
