暑い季節はインドアグリーンで心も涼しく!
夏はお庭やベランダの植物たちが元気になる季節ですが、外に出るのも億劫になるほどの猛暑が続くと、どうしても水やりや草むしりが負担になりますよね…。
そんな時期こそ、涼しいお部屋の中で楽しめる「観葉植物」が心を癒してくれます!
今回は、元花屋の私が「これは夏にこそおすすめしたい!」と思った、ちょっと個性的でインテリア性の高い観葉植物を5つご紹介します。
どれもお手入れが簡単で、初心者さんでも挑戦しやすいものばかり。
猛暑の日々を心地よく乗り切るためのグリーン選びの参考にしてくださいね!
1. シダ系の涼しげ代表格!『ネフロレピス(タマシダ)』

「シダって難しいのでは?」と思われがちですが、意外と丈夫で明るい日陰を好むネフロレピス(タマシダ)は夏のインドアグリーンにぴったり。
小さな葉が細かく重なり合って生い茂る姿は、まるで森の中の木陰を切り取ったような涼感を運んでくれます。
原産が熱帯・亜熱帯地方のため湿度を好みます。
そのため、エアコンの風が直接当たらない場所に置いて、霧吹きで葉水をしてあげると元気に育ちます。
吊るして飾るとボリューム感が出て、空間がぐっとナチュラルになりますよ。
【育て方】
・耐暑性は高く、耐寒性は低いため、室内で管理します。
・下葉が黄色くなったら取り除きましょう。
・室内の明るい日陰で育て、春から秋の間は土を乾かさないように水を与えましょう。
・夏の高温多湿の時期は、水やりは上からかけると蒸れて枯れることがあります。そのため、土に与えるように水やりをしましょう。
・冬の間は土が乾いて来たら、適宜水やりを行います。
・肥料は成長期の春~秋にかけては、緩効性肥料を2ヶ月に1回与えます。
・葉色が悪い場合は、活力剤なども与えてあげましょう。
・病気になった葉や、虫食いなどの葉は取り除きましょう。
・カイガラムシやナメクジが周年発生することがあります。見つけたら早めに取り除きましょう。
・生育が旺盛なタイプのため、年1回、5月~9月お期間に植え替えを行います。古い土を1/4程度、優しく落として、1~2周り程大きな鉢に植え替えましょう。
・株分けで増やすことができます。5月~9月の時期に行います。

2. 夏バテ知らずの頑丈さ!『ザミオクルカス・ザミフォーリア、レイヴン』

耐陰性と乾燥耐性の強さで、ここ数年人気が高まっているのがザミオクルカス・ザミフォーリア。
別名「ZZプラント(Zamioculcas zamiifoliaの学名から)」と呼ばれ、艶のある深い緑色の葉が印象的です。
夏場は室内でも水やりの回数が増えがちですが、この植物はむしろ乾燥気味に育てた方が調子がいいんです。
暑さに負けずシャキッとした姿を見せてくれるので、植物をよく枯らしてしまう人にもおすすめです。
私もオンラインショップでザミオクルカスの「レイヴン」を取り扱っていました。
ザミオクルカス「レイヴン」は非常に人気が高い品種で、新芽は緑色をしていますが、徐々に黒く染まっていき気温が下がると深い黒葉になる品種。
オランダでは真っ黒な羽の「ワタリガラス」に似ていることから「レイヴン」という名で広がりました。
このザミオクルカス「レイヴン」はかなり高額で取引されているんですが、その理由は「成長速度の遅さ」が原因。
生産に要する時間がポトスと比べると約5倍もかかるそうで、大きくなるのにかなり時間がかかります!
1年で約10cm伸びるかどうかというところ。
そのため、生産コストがかさみ高額で扱われるようになったようですね。大きいものはもっと高額で取引されています!
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
【育て方】
・水やりは土が乾いたら、鉢底から水が出てくるぐらいたっぷりと与えます。湿ったままで水やりをすると根腐れの原因となりますので乾湿を意識しつつ、乾燥気味に管理しましょう。
・室内で植物を育てていると、葉に「埃」などが付着し、光合成が上手くできなくなることがあります。
そのため、定期的に霧吹きなどで葉水を行いましょう。春~秋の成長期には特に全体がしっかり濡れるまで葉水を行ってください。
・肥料は4月~6月と、9月~10月に緩効性肥料もしくは液体肥料を与えます。この期間以外は成長が鈍るため、肥料を与え過ぎると「肥料焼け」を起こすこともあるため控えましょう。
・植え替えは2~3年に1度行い、1~2周り程大きな鉢に植え替えましょう。時期は4月~5月、もしくは9月が適期です。
・葉挿しや挿し木で増えます。
・ザミオクルカスは、サトイモ科で毒性がありますので、切り口から出る樹液が皮膚に付着するとかゆみや炎症を起こすことがあります。剪定を行う際は必ず手袋を着用しましょう。
また、ペットや小さいお子様がいる場合は誤飲に十分注意してください。
3. 触れる楽しみをくれる『ビカクシダ(コウモリラン)』
オークションにも全然出てこないし相場高いなって思ってたけど詳しいフォロワーさんに聞いたら納得した
— やゐち (@Schroe_root) June 9, 2025
健康に育てよう、ビカクシダ下手くそだけど😇 pic.twitter.com/PyVsulHj0d
夏こそ個性的な葉っぱを楽しみたい方には、ビカクシダ(コウモリラン)がイチオシ。
板付けして壁に掛けても、鉢植えで育ててもOK。
葉の形がまるで鹿の角のようで、インテリアグリーンとして大活躍してくれます。
2014年頃から徐々に人気となり、マニアに絶大な人気を博している植物です。
ビカクシダは株元を覆うように広がり、水を貯めて乾燥から守る役割の「貯水葉」と、鹿の角のように分岐する葉で、胞子をつけて繁殖する「胞子葉」という2種類の葉を持ちます。
このユニークな姿からコウモリが羽を広げた姿に似ていることから「コウモリラン」と呼ばれています。
湿気を好むので、バスルームやキッチン周りなど、少し湿度がある場所でも元気に育ちます。
霧吹きで葉水をする時間が、ちょっとした癒しの時間になりますよ。
【育て方】
・明るい日陰~半日陰で管理しましょう。室内の場合は、窓際の明るい場所で管理してください。
・高温多湿を好みます。
・冬に葉が枯れることもありますが、根が生きていれば翌年の春には新芽が再び出てきます。
・空気中の湿度を保つため、こまめに霧吹きをしましょう。葉にも与えてあげましょう。(湿度は50%~60%を下回らないように)
・肥料はほとんど必要としません。梅雨や真夏は与えずに、4月~8月の成長期に緩効性肥料を与えるか、薄めた液肥を与えましょう。与え過ぎると株が弱るため注意しましょう。
・植え替えは根鉢がいっぱいになった段階で行います。4月~6月の間に一周り大きな植木鉢に植え替えましょう。
4. 夏でも花を楽しめる『アンスリウム』

「花も楽しみたい」という人には、アンスリウムが断然おすすめ。
ハート形の光沢ある葉と赤や白のカラフルな仏炎苞(ぶつえんほう)が特徴です。
比較的高温多湿を好むので、暑い夏でも室内で元気に花を咲かせてくれるのが魅力。
水やりは、土が乾いたらたっぷりと。葉水で葉っぱを保湿してあげると病害虫の予防にもなります。
真っ白な壁や木製の家具と合わせると、南国風の雰囲気になり、暑い日もなんだかリゾート気分に浸れます。
【育て方】
・室内の半日陰で管理しましょう。暗すぎると花が咲かなくなり、強い日光に当てると葉焼けしてしまいます。
・過湿は嫌いますが、多湿を好みます。春~秋の成長期は鉢土が乾いてから水を与えます
・冬は乾かし気味に育てますが、暖房が効いた部屋の場合は軽く霧吹きなどを行って湿度を保つようにしましょう。
・春~秋の成長期に、緩効性肥料を施しましょう。
・2年~3年に1回は株分けを兼ねて植え替えます。5月~8月に古い用土を取り除き、親株の周りに発生した子株を分けて、新しい用土で植え付けます。株分けした子株は水苔やバーミキュライトなどで植え付けます。
・花をたくさん咲かせるために、花色が褪せてきたら早めに花茎を根元から切り取りましょう。
5. 日陰OKの頼れる相棒『ポトス・エンジョイ』
ポトス・エンジョイ🪴
— 髙野 (@takanosans) June 27, 2023
8ヶ月前(写真2枚目)は小苗だったのに、増え続けてとうとう3鉢目に突入です😆 pic.twitter.com/641LWLR9db
観葉植物の定番ポトスも、最近は品種が増えていてインテリア性が抜群!
中でも『エンジョイ』は、緑と白の斑入りの葉が美しく、明るい日陰でもしっかり育つので夏場の室内に最適です。
伸びてきたツルをカットして水挿しにすれば、増やす楽しみも味わえます。
何より水に挿したポトスが涼しげで、ちょっとしたガラス瓶に活けて窓辺に置くだけで爽やかさが倍増。
【育て方】
・日光を好む植物ですが、環境に順応しやすい性質があるため、日陰でも育てることができます。
・暗すぎる場所では、葉が黄色や茶色に変色することがあります。
・反対に日光が当たり過ぎると葉焼けを起こすため、カーテン越しにするなど場所の調整を行いましょう。
・過湿を好むため、エアコンなどの風が当たらない場所に置きます。夏は冷えすぎないように注意して、冬は5度以上の気温を保ちます。
・春~秋の成長期は土の乾きが早いため、土の表面がしっかり乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷりと与えましょう。
・冬は成長も緩やかになるため、水を与え過ぎてしまうと根腐れをおこして枯れてしまうこともあるため注意しましょう。
暑い季節こそ、お部屋の中で“グリーンタイム”を
外の猛暑に疲れた心と体を癒すには、エアコンの効いたお部屋で緑を眺めながらゆったり過ごす時間が一番です。
おわりに
今回ご紹介した5種類は、どれも「暑い季節にこそ強みを発揮する」観葉植物たちです。
冷房の効いたお部屋でも生き生き育ってくれるので、夏の相棒としてぜひ迎えてみてください。
外に出かけなくても、家の中で緑に触れられる時間は思った以上に心を落ち着かせてくれます。
無理をせず、心地よい空間づくりの一つとして“おうちグリーン”を楽しんでみてくださいね!