こんにちは、ガーデニングや寄せ植えに夢中な和花人のMIHOです!
今回は「黒系・ダークパープル系」のビオラ&パンジーをご紹介しますね。
私自身、色の世界観を庭で大切にしている中で、「黒」や「深紫」は“ただの色”ではなく“雰囲気をつくる魔法の色”だと感じています。
花びらの色、葉の色、草姿、すべてが「静かな主張」を持つこの世界。
この記事では、私らしく“好き・楽しい・自由”の視点でご紹介します。
1. 黒すずめ|唯一無二の“漆黒の小鳥”
宮崎県の育種家ROKAさん作出・ゲブラナガトヨさん生産の希少ビオラ。
原種トリカラーの血を引き、小輪で可憐なのに、色は「深い漆黒」。
草姿は自然に暴れ、まるで“羽ばたくような黒い影”を描きます。
寄せ植えでは、ヘリクリサムやシルバーリーフと合わせると上品なコントラストが出ます。
ハンギングにして「揺れ」を楽しむのも素敵ですよね。
活用アイデア
この子を寄せ植えに使うなら、背景に淡いグレー・シルバー系の葉もの(例:ヘリクリサム、アストランティアシルバーリーフ)を置いて“黒い影”が浮かび上がるように演出すると効果的です。
草姿の個性もあるので、あえて“伸び”を楽しむハンギングスタイルもおすすめ。
育てるポイント
草姿が“暴れ気味”ということで、植え付け後の整枝・風通し・花柄摘みがカギ。
冬〜春の開花期を活かし、秋植えで株を育てておくと満開時の迫力が出ます。
2. 魅黒(みくろ)|黒すずめのエレガントな妹分
黒すずめをコンパクトに改良したのが“魅黒”。
花色は黒すずめよりもやや紫がかり、草姿が整いやすいので扱いやすい品種です。
黒い花が初めての方にもおすすめ。
上品な鉢やアンティークカラーの器と合わせると、ぐっと高級感が増します。
活用アイデア
「黒系だけどまとまりやすい草姿」という特徴から、鉢植えや寄せ植え初心者にもおすすめ。
例えば“くすみグリーン”系の鉢に魅黒を中心に据えて、周囲に淡ピンクやホワイトの花を添えると“黒が引き立つ”デザインになります。
育てるポイント
植え付け時に水はけの良い土を用い、定期的に液肥を与えましょう。
3. ギャラクシー(見元園芸)|星空のような黒パープル
見元園芸さんの人気シリーズ「ギャラクシー」。
名前の通り、宇宙を思わせるような濃紫グラデーションが魅力です。
厳密な黒ではないけれど、黒系の寄せ植えに“星の瞬き”を添えるような存在。
夜空をイメージした寄せ植えをつくるなら、グレイッシュな葉ものやシルバーアクセントと組み合わせて。
活用アイデア
「黒系だけれども少し光る色味・名前が個性的」というテーマには非常に向いています。
ギャラクシーを“ダークパープル系の宇宙”として、淡いパープル系と合わせる寄せ植えも素敵。
育てるポイント
原則的にはビオラ・パンジーの基本に準じ、秋植え・冬〜春の主戦力とするのがベスト。
珍しい品種ゆえ、購入時に株の健康状態・根張りをよくチェックを。
4. ブラックエミュー(神戸べっぴんさん/岸野園芸)|閉じた黒、静寂の美
兵庫県・神戸市西区にある岸野園芸さんが手がけるブランドシリーズ「神戸べっぴんさん」。
兵庫県・神戸市西区にある岸野園芸さんが手がけるブランドシリーズ「神戸べっぴんさん」。
その中でも、ひときわ異彩を放つのがブラックエミューです。
花びらが完全には開かず、まるで羽をたたんだ鳥のような佇まい。
深紫〜漆黒の花弁が内側に重なり、光の加減によってベルベットのような質感を見せます。
“エミュー(大型の鳥)”の名の通り、野性味と気品が共存する印象的な黒花です。
活用アイデア
ブラックエミューは、その閉じた花形がほかの花の「形」を引き立ててくれる存在。
例えば、白いフリルパンジーや淡グレーの葉もの(シロタエギクやヘリクリサム)と組み合わせると、“陰影のある静かな世界”が生まれます。
一鉢に数株入れるだけで、寄せ植え全体がキリッと引き締まり、夜の庭にも映える黒。
育てるポイント
定期的な花がら摘みと液肥で、長期間開花を維持できます。
植え付け後は風通しを意識し、花柄摘みと軽い追肥を定期的に行うと花持ちが良くなります。
5. シュヴァリエ・ドゥ・リュンヌ(サトウ園芸)|優雅な黒の騎士
花径4〜6㎝、フリル咲きが美しい、サトウ園芸さんのブラックパンジー。
“月の騎士”という名前の通り、気品と力強さを併せ持つ存在です。
アンティークの鉄鉢やシルバーグレーの鉢に植えると、まるでドレスのような花姿に。
冬の寄せ植えの主役として抜群の存在感を放ちます。
活用アイデア
フリル咲きの豪華さを活かして、鉢植えを“装飾花”として扱うのが楽しめます。
例えばクラシカルな鉄鉢やアンティークブリキ鉢を使い、「夜の舞踏会」に参加しているかのような雰囲気を演出。
周囲に白いラベンダーやシルバーリーフを配すると黒と白のコントラストが際立ちます。
育てるポイント
フリル咲きの品種は花持ち・株姿のまとまりに少し手間がかかることも。
植え替え時は株の向き・花の顔向きにも気を配りたいです。
また、花が咲いてきたら“フリル部分の表情”を写真に収めてブログ映えも狙える品種です。
6. ムーランフリルネロ|黒の中にボルドーの魔法
人気シリーズ「ムーランフリル」の黒バージョン“ネロ”。
花弁のフリルが波打ち、濃紫〜ボルドーのキメラ咲き。
光の角度で微妙に色が変わる姿はまさに芸術品。
個体差があり、同じ株でも花ごとに表情が違うのも魅力。
“黒に奥行きを出したい”ときに選びたい品種です。
活用アイデア
ムーランフリルネロは「黒系の中にちょっと変化がある」寄せ植えをしたいときにぴったり。
例えば“黒とボルドー”“黒とグレープ(濃紫)”というグラデーションで使うと、深みが出ます。
花の顔がいくつもの色を含むので、見るたびに違った表情が楽しめます。
育てるポイント
キメラ咲きゆえ、花色に個体差が出やすいという魅力がありますが、その分“思い通り”の配色が出ないこともあるため、「個体差も味」と捉えて楽しめる方におすすめです。
植え付け後の花数・株姿は、花柄摘み+軽い液肥で安定させると良いです。
7. ブラックデライト|寄せ植えの万能黒
黒ビオラの中でも扱いやすく、花数も多い安定品種。
色は“黒に限りなく近い濃紫”。
他の黒系と組み合わせることで、寄せ植え全体の色の流れを自然に繋げてくれます。
“黒すずめ”や“ムーランフリル”のような強個性を引き立てる“黒の土台役”として重宝します。
活用アイデア
ブラックデライトは“黒系テーマ”において、比較的汎用性があるセレクト。
例えば複数株使って“黒の波”をつくる際に、ブラックデライトを中間色として使い、極黒(黒すずめ・魅黒)とダークパープル(ムーランネロ)を繋ぐ橋渡し役として配置するとバランスが良いです。
育てるポイント
植え付け時は深めの色味を活かすために、隣接株を明るめの色で囲むと“黒が映える”演出になります。
また、冬〜春に向けて花数が増えるので、“株が育ったあとの姿”を想定して鉢・スペースを考えておくと安心です。
8. 多年草・ラブラドリカ(黒葉ビオラ)|葉で魅せる黒の陰影
最後に、花ではなく“葉で黒を演出する”という発想のラブラドリカ。
花よりも“葉”が主役の黒ビオラ。
黒紫がかった葉に、小さな青紫の花を咲かせる「多年草タイプ」。
寄せ植えでは後方や縁取りに使うと、全体がぐっと引き締まります。
宿根タイプなので、翌年も楽しめる“長く付き合える黒”でガーデナーさんの中では大人気の品種です。
黒い葉でつくる“静かな存在感”もまた魅力です。
活用アイデア
ラブラドリカは“黒系花中心”ではなく“黒系背景”として使うと秀逸。
例えば他の黒ビオラの隣に配置すると、葉が暗幕のような効果を出してくれます。
また多年草という点で、“来シーズンも使える黒系素材”として覚えておくと役立ちます。
育てるポイント
耐寒性・耐暑性が比較的強い。
鉢植え・花壇どちらにも使え、増やしたいときは株分け・挿し木でもOK。
黒系・ダークパープル系ビオラ&パンジー8品種一覧
| 品種名 | 色味 | 花の形・特徴 | 希少度(★=高い) |
|---|---|---|---|
| ①黒すずめ(ゲブラナガトヨ × ROKA) | 漆黒〜黒紫・小輪・反転咲き | 原種トリカラーの血を引く。暴れる草姿で自然な動きが美しい | ★★★★★ |
| ②魅黒(ゲブラナガトヨ) | 深紫〜黒紫・小輪 | 黒すずめの改良版。草姿がまとまりやすく、上品で扱いやすい | ★★★★☆ |
| ③ギャラクシー(見元園芸) | 濃紫〜パープルブラック | 花弁に微妙なグラデーション。宇宙のような神秘的カラー | ★★★☆☆ |
| ④神戸べっぴんさん「ブラックエミュー」(岸野園芸) | 極深紫〜黒・花びらが開き切らない独特の咲き方 | 黒の迫力+花姿に個性あり。少量流通のレア系 | ★★★★☆ |
| ⑤シュヴァリエ・ドゥ・リュンヌ(サトウ園芸) | 漆黒+光沢あり | 高級感あるフリル咲き。優雅で“騎士”の名にふさわしい重厚さ | ★★★★★ |
| ⑥ムーランフリルネロ | 黒〜ボルドー〜濃紫 | フリル咲き+キメラ咲き。幻想的なグラデーションが魅力 | ★★★★☆ |
| ⑦ブラックデライト(ソルベシリーズ) | 黒に近い濃紫+黄目 | 汎用性が高く、寄せ植えの“黒のつなぎ役”に最適 | ★★☆☆☆ |
| ⑧ラブラドリカ(黒葉ビオラ) | 黒葉+青紫花 | 黒い葉で背景をつくる多年草。花より葉の美しさが主役 | ★★★☆☆ |
“黒系”を楽しむためのヒント
ここまで8品種を紹介しましたが、改めて「黒系/ダークパープル系ビオラ&パンジー」を楽しむためのポイントを整理します。
色を際立たせるための配置/寄せ植えヒント
- 黒系を使うなら、白・シルバー・淡ピンク・淡グリーン葉ものと隣接させると“黒”がくっきり浮かび上がります。
- 鉢・ポットの色も重要。黒・チャコール・ブリキ・アンティークホワイト系が世界観がでてオススメ!
- 草姿の違いを活かして、「まとまりタイプ(魅黒)+暴れタイプ(黒すずめ)」の対比を入れると面白い作品になります。
- 花姿もフリル咲きや一重、大き目サイズや細長など色んな形を混ぜて寄せ植えにするとより立体的になりますよ。
撮影のコツ|黒の深みを写すには?
黒や濃紫の花は、上から光を当てると“真っ黒”につぶれやすいんです。
「黒い花がうまく撮れない…」というときは、この角度をぜひ試してみてくださいね。
育てるときの注意点
- 晩秋や春先の暑さ・蒸れに弱い品種が多いので、風通し・日陰・水はけを意識。
- 黒系は“花数を増やす”という点で、植え付け時期(秋〜冬)を守るとベター。
春に植えると色が浅く出ることも。 - 種から育てる場合、色出しに時間がかかったり、個体差が出やすいです。
その“個体差”も味として楽しめると◎。 - 購入時点で“株の根張り・葉色・花つき”をチェック。
希少品種は特に“状態が良いものを選ぶ”ことが成功のカギ。
まとめ|“黒い花”が教えてくれる、美しさのかたち
黒い花って、不思議ですよね。
派手さはないのに、どこか惹かれてしまう。
静かなのに、強く印象に残る。
黒すずめや魅黒のように小さくても存在感のある花、シュヴァリエ・ドゥ・リュンヌやムーランフリルネロのように気高く咲く花たち。
それぞれが“自分らしい美しさ”を持っていて、まるで人の生き方みたいだなと思うんです。
黒系の花は、ほかの色を引き立てながらも、自分の美しさをちゃんと主張できる。
だからこそ、どんな花とも調和しながら、寄せ植え全体を大人っぽくまとめてくれる存在なんです。
もしあなたの庭や鉢に、ひとつ黒い花を加えてみたら、きっと空気が変わります。
静かで、奥深くて、心に余韻を残す――そんな“美の陰影”を、この冬はぜひ楽しんでみてくださいね。
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