毎日の暮らしに「香りのある植物」を取り入れると、気持ちがふっと和らいだり、集中力が高まったりします。
人工の芳香剤とは違い、自然の香りは時間とともに変化し、優しく部屋に広がってくれるのが魅力です。
今回は、通年楽しめる植物から、春・夏・秋・冬の季節ごとに香る植物まで、香りを主役にしたおすすめの5種類をご紹介します。
植物の香りは暮らしを豊かにしてくれる一方で、利用方法によっては注意が必要です。
特に小さな子供や妊婦さんは、成分による影響を受けやすいため使用を控える、または薄めて楽しむといった工夫が大切です。
1. コニファー(ブルーアイスなど)|通年楽しめる爽やかな森林の香り

爽やかな香りとシルバーリーフで人気の「ブルーアイス」。
冬のリースやスワッグにも欠かせない存在ですが、庭に地植えすれば驚くほど大きく育ち、四季を通じて存在感を放ちます。
スペースに余裕があればシンボルツリーに、限られた場所なら鉢植えや寄せ植えに。
ライフスタイルに合わせた楽しみ方ができます。
香る部位
葉や枝。
脂や精油成分が含まれており、軽く触れたり温度が上がることで香りが広がります。
開花・楽しめる時期
開花はしませんが、一年を通じて枝葉から香りを楽しめるのが特徴です。
特に剪定の際や冬のリース・スワッグ作りで活躍します。
香りの成分と効能
主成分はα-ピネン、リモネンなどのモノテルペン類。
森林浴と同じ成分で、気分をリフレッシュさせ、集中力アップに役立つといわれています。
一番香る時間帯
日中。
温度が高いと精油が揮発して香りが強まります。
香りの質
柑橘系の爽やかさに「ウッディ」で「スパイシー」なニュアンス。
深呼吸したくなるような清々しい香りです。
香りの楽しみ方
- 剪定枝を花瓶に活けて室内に
- 葉を軽く揉んで香りを立たせる
- ドライにしてリースやスワッグへ
香り以外の楽しみ方
- シルバーグリーンの葉色がインテリアに映える
- クリスマスの飾り付けにぴったり
育て方
日当たりと風通しが良い場所で、乾燥気味の土を好みます。
鉢植えだと成長は抑えられ、2〜3m程度で管理できます。
※地植えにすると 10m前後、条件が良ければさらに大きく育つこともあります。
コニファーの中でも成長は比較的早め。数年で2〜3mには達するので、シンボルツリー向き。
2. ラベンダー|春から初夏に癒しを運ぶ香り

古代ローマでは浴槽に浮かべて楽しんだといわれるラベンダー。
「lavare=洗う」に由来する名前を持つこのハーブは、今でも世界中でバスソルトやアロマに使われています。
春から初夏に咲くその香りは、心身を落ち着かせる自然のアロマセラピー。
暮らしの中で香りを取り入れるなら、ラベンダーは欠かせない存在です。
香る部位
花と葉。
特に花から強い香りが広がります。
開花・楽しめる時期
5月〜7月頃が開花の最盛期。
ドライにすると通年で香りを楽しめます。
香りの成分と効能
主成分はリナロール、酢酸リナリル。
鎮静・安眠効果があり、ストレスを和らげるハーブとして古くから親しまれています。
一番香る時間帯
夕方から夜にかけて。
リラックス効果を感じやすい時間帯です。
香りの質
やさしく「甘いハーブ香」
穏やかで、心をほっと落ち着かせる香りです。
香りの楽しみ方
- 花束を逆さに吊るしてドライに
- サシェやポプリにして寝室やクローゼットへ
- バスソルトやハーブティーとしても活用
香り以外の楽しみ方
- ドライにしても紫色が美しいインテリアになる
- ハーブクラフトやお菓子の香り付けにも
育て方
日当たり・風通しの良い場所。
過湿に弱いので水やりは控えめに。
3. クチナシ|夏に漂う甘く濃厚な香り

梅雨明けを迎える頃、真っ白な花とともに漂ってくる甘い香り。
クチナシは、夏の始まりを知らせる花として古くから親しまれてきました。
一輪でも飾れば部屋中に広がるその香りは、季節を感じるインテリアとしてもおすすめです。
香る部位
花。
開花・楽しめる時期
6月〜7月が見頃。
一輪でも部屋に置けば強い香りを放ちます。
香りの成分と効能
主成分はジャスモン酸メチル、ガーデニン。
甘く濃厚な香りで、気分を華やかにしてくれるといわれます。
一番香る時間帯
夜。
夜咲きの性質があり、暗くなると香りがより強まります。
香りの質
ジャスミンに似た「甘く官能的な香り」
香水のような存在感があります。
香りの楽しみ方
- 一輪挿しで十分に香りを楽しめる
- 花を浮かべて香りのインテリアに
香り以外の楽しみ方
- 純白で八重咲きの花は観賞価値が高い
- 実(くちなしの実)は和菓子や料理の天然色素に使える
育て方
半日陰を好みます。
水切れに弱いので、鉢植えではこまめな水やりが必要です。
クチナシは香りも花も魅力的ですが、オオスカシバなどの虫がつきやすい植物 です。
防虫対策として風通しをよくし、定期的に観察しましょう。
4. 金木犀(キンモクセイ)|秋の短期間に広がる芳香

香る部位
花。
開花・楽しめる時期
9月〜10月にかけて、短期間ながら強く香ります。
香りの成分と効能
主成分はリナロール、オスマントール。
甘く濃厚な香りで、秋の風物詩として親しまれています。
一番香る時間帯
夕方から夜。
夜間に香りが強まる傾向があります。
香りの質
一度嗅ぐと忘れられない、「甘く濃厚で懐かしい香り」
秋の訪れを知らせる芳香です。
香りの楽しみ方
- 鉢植えで育て、開花時に部屋へ取り込む
- 花を砂糖漬けや桂花茶にする文化も
- 花は乾燥すると香りが飛びやすいため、モイストポプリに加工すると長く香りを楽しめる
モイストポプリの作り方(簡単レシピ)
- 新鮮な金木犀の花を収穫し、軽く乾かす(完全に乾燥させないのがポイント)
- 保存容器に花を入れ、塩(粗塩がおすすめ)を層状に重ねて詰める
- 香りを補強したい場合は少量の精油を加える
- 密閉して数週間置くと、しっとりとした状態で香りが熟成される
- 完成したら小瓶や布袋に入れて室内に飾る

香り以外の楽しみ方
- オレンジ色の小花が房になって咲く姿が可憐
- 季節感を演出するインテリア植物に
育て方
日当たりの良い場所で。
鉢植えにすれば寒さ対策として移動可能。
まれにチャドクガが寄り付くこともあります。
風通し良く管理しましょう。
5. ユーカリ|冬に映える清涼な香り

香る部位
葉。
開花・楽しめる時期
剪定枝を利用すれば通年楽しめますが、特に冬場に飾ると清涼感が引き立ちます。
香りの成分と効能
主成分は1,8-シネオール(ユーカリプトール)。
抗菌・消臭作用があり、風邪予防やリフレッシュに効果的とされます。
一番香る時間帯
午前から昼間。
蒸気や気温によって揮発が促されやすいです。
香りの質
すっきりとした「清涼感」、少し「メンソール調」
空気をリセットするような香りです。
香りの楽しみ方
- 花瓶に挿すだけでおしゃれな芳香インテリアに
- スワッグとして吊るして香りを持続
- シャワールームに吊るしてスチームで香りを引き出す
補足:ユーカリは冬に弱りやすいため、剪定は初夏がベスト。
冬に部屋へ飾る際は、枝を取りすぎず軽く楽しむ程度にして、株をいたわるのが安心です。
香り以外の楽しみ方
- 丸葉や銀青色の葉がインテリアグリーンとして人気
- ドライにしても色が残り、長く楽しめる
育て方
日当たりと水はけの良い場所。
過湿に弱いので水のやりすぎに注意。
冬の寒さに弱いため、寒風や霜のかからない場所に移動しましょう。
香りを楽しむバスソルト利用のポイント

香りを楽しむ植物は、バスソルトに取り入れてお風呂時間に活用することもできます。
ただし安全性や香りの持続性に違いがあるため、以下を参考にしてみてください。
ラベンダー:最も安心して使える。
花を乾燥させてバスソルトに混ぜるとリラックス・安眠効果◎。
【ラベンダーのバスソルトは危険なこともあります】
※妊娠初期は香りの刺激で気分が悪くなったり、影響の出る可能性が完全には否定できないようなので避けましょう。
ユーカリ:呼吸を楽にする作用あり。
精油を1〜2滴だけ、または葉を煮出したエキスを利用。
【ユーカリのバスソルトは危険なこともあります】
※小さな子供(特に乳幼児)では呼吸抑制を起こすことがあると報告されているため2歳未満は使用を避けましょう。
※敏感肌は刺激に注意が必要です。
※ユーカリの成分は、血流や呼吸に作用するため、妊娠中の体調変化に影響するリスクがあります。
コニファー(ブルーアイス):森林浴効果。
精油を少量混ぜると爽快。
※敏感肌は刺激に注意。
【コニファーのバスソルトは危険なこともあります】
※小さな子供(特に乳幼児)ではユーカリほど強い呼吸抑制の報告はありませんが、皮膚刺激が出る場合があるため、2歳未満や敏感肌の子供は使用を避けましょう。
※コニファーの精油(シダーウッド、サイプレス系)は、アロマテラピーの文献では子宮収縮作用がある可能性とされ、妊娠初期には避けるように書かれていることがあります。
入浴での微量利用なら大きなリスクは少ないとされますが、念のため妊娠中は控えるか医師に相談するのが安心です。
金木犀:花自体は安全だが乾燥すると香りが飛ぶ。
モイストポプリを利用して塩と合わせると良い。
クチナシ:花を乾燥させて混ぜても可。
香りは短命だが安心して使える。
💡精油を利用する場合は必ず希釈して使用し、敏感肌や小さなお子様には控えめにするのがおすすめです。
基本のバスソルトの作り方
材料(約3〜4回分)
- 天然塩(粗塩・エプソムソルト・岩塩など)… 300g
- 精油(エッセンシャルオイル) … 5〜10滴(ラベンダー、ユーカリ、ローズマリーなど)
- ドライハーブや花びら(ラベンダーの花、ローズ、カモミールなど)… 適量(お好みで)
手順
- 塩を準備
ボウルに天然塩を入れます。粒が大きい場合は軽く砕くと溶けやすくなります。 - 精油を混ぜる
精油を数滴ずつ加えながらよく混ぜます。
(全体に均等に行き渡るように木べらやスプーンでかき混ぜる) - ハーブを加える(お好みで)
ドライラベンダーやローズの花びらを加えると見た目も華やかに。
直接お湯に入れると掃除が大変なので、お茶パックに詰めると便利です。 - 保存容器に入れる
密閉容器やガラス瓶に入れて完成!
直射日光を避けて1ヶ月程度を目安に使い切りましょう。
使い方
- 浴槽(約200L)に対して 大さじ2〜3杯 入れるのが目安。
- 精油を使った場合は香りが強いので、最初は少量から試すと安心です。
⚠️ 注意点
- 子供や妊婦さん → 精油入りは避けるか、ごく少量で。ラベンダーなど比較的安全な種類を選ぶ。
- 敏感肌の方 → ピリピリすることがあるので、必ず少量から試す。
- ユーカリ・コニファー精油 → 大人向け。幼児・妊娠初期はNG。

まとめ|香りで季節を楽しむ暮らし
- 通年楽しめる → コニファー、ユーカリ
- 春〜初夏 → ラベンダー
- 夏 → クチナシ
- 秋 → 金木犀
香りのある暮らしは、日々のリズムを整えたり、心に季節感を運んでくれるもの。
室内にちょっとした枝や花を取り入れるだけで、空間がぐっと豊かになります。
ぜひ、自分の好みに合う植物を選び、部屋に自然の香りを取り入れてみてください。