こんにちは、元花屋「和花人」のMIHOです。
今日は、私が地域でマルシェを立ち上げ、代表として運営し、そして退くまでに得た“等身大の学び”を、丁寧に残しておきます。
これは「成功の記録」よりも、むしろ失敗から始まる話。
でも、だからこそ、いま夢や働き方を模索しているあなたの背中をそっと押せる気がしています。
1. はじまりは「仲間の活躍の場をつくりたい」だった

当時、私は花屋になる勉強をしながら、自宅で寄せ植え教室を開き、週末には小さな花屋としてお店を構えていました。
そこへ、同じようにモノづくりや個人事業に取り組んでいる方々が訪れてくださるようになったのです。
お客様と何度も会話を重ねるうちに、私の心の中には少しずつ、こんな想いが芽生えていきました。
「この街で、同じように頑張る人が活躍できる“場”をつくりたい」
その気持ちが背中を押し、ちょうど当時のマルシェブームの追い風もあって、企画は思いのほか早く形になっていったのです。
- 2022/04/05 地域の作家さんとマルシェを立ち上げ
- 2022/05/03 第1回マルシェ開催
2. 私が目指したのは「長く続く仕組み」だった
私はマルシェを作った時に“楽しいイベント”で終わらせたくありませんでした。
続くこと、育つことにこだわり、次のような準備を徹底しました。
- 運営マニュアル(避難経路・消火器/AED・連絡フロー・備品リスト・当日のタイムライン)
- 会場レイアウトと動線設計(駐車誘導や掲示位置まで図面化)
- 出店者誓約書(安全・衛生・近隣配慮・反社排除の明文化)
- 年間スケジュール(開催頻度は2か月に1回、季節演出を意識)
- ゲスト制の導入(正規メンバーは限定し、毎回3枠まで新鮮さを確保)
- ブランド基準(「インスタ映え」「世界観」を守る選定軸)
毎回のマルシェ後にはメンバーで振り返り会を開き、
を整理し、議事録に残して次回につなげることに。

そして私は、マインドマップを作り、「半年〜1年先の変化」を見越すことを意識していました。
「今この瞬間」のことだけを考えるのではなく、「次に来る流れ」を前もって枝に書き込み、更新していったのです。
たとえば…
- 体験型の需要:買うだけではなく「体験できる場」が求められる
- SDGs・エコ志向:環境に配慮した商品や取り組みが注目される
- 夜マルシェ・イルミネーション:夕方〜夜に楽しめる空間が人気化
- フォトスポット拡充:写真映えが来場動機につながる
2025年にはすでに当たり前になってしまいましたが、当時はこうした未来を先取りし、「次はどんなテーマや企画が響くか?」を世の中の情勢を見ながら企画を組み立てていました。

この地道な経験の積み重ねと“先読み”こそが、単発のイベントを“長く続く仕組み”に変えていく鍵だと思っていたのです。
3. 「事業性」という価値観
正直に言えば、ただ楽しいだけのマルシェなら地域にいくらでもありました。
場合によっては、同じ日にすぐ近くで別のマルシェが開催されていることすら珍しくありませんでした。
そんな中で「あーまた同じようなマルシェか」と思われれば、人は集まらない。
だから私は、差別化=ブランド化にこだわりました。

私は、ただ開催するだけのイベントではなく、「ここに来れば特別な体験ができる」と思ってもらえる場を目指していました。
世界観を整え、季節ごとにテーマを決め、出店者も厳選する。
そしてお客様に「〇〇マルシェ」と名前で呼んでもらえるような、“記憶に残るマルシェ”にしたかったのです。
それが、私の揺るぎない信念でした。
4. しかし、それは「窮屈さ」につながった
ところが、この「仕組みづくり」や「先を読む姿勢」が、メンバーにとってはとても窮屈に感じられていたのも事実です。
私自身は「長く続けるためには、利益やブランドが欠かせない」と考えていましたが、多くのメンバーは「楽しければいい」「もっと自由でいい」という価値観を持っていました。
- 私の軸:利益を出し、マルシェブランドを育て、継続性を重視する(事業的な視点)
- 仲間の軸:みんなで楽しみ、自由に活動できることを大切にする(コミュニティ的な視点)
どちらも間違ってはいません。
しかし、目指すゴールが違えば、当然たどり着く最適解も違ってきます。

私が仕組みや効率に集中すればするほど、仲間が大切にしたい“余白”や“遊び”といった大切な価値を置き去りにしてしまい、結果的に「ちょうど良いバランス」の運営はできませんでした。
申し訳なさや、理想の運営を実現できなかった悔しさはありましたが、振り返ってみれば、あの時こそが私の人生における大切な分岐点だったのだと思います。
5. 失敗が教えてくれた「私の特性」
当時の私は、自分の「特性」をうまく言葉にできていませんでした。
のちに分かったのは――
という、自分の“癖”の存在でした。
この癖を言語化できていなかったからこそ、「意見の不一致」という形に行きついてしまったのだと思います。
けれど、その経験こそが自己分析のきっかけになりました。
そして私は、オンラインショップ、さらにブログでの発信へと軸足を移すことになります。

一人で意思決定できる環境の方が力を発揮でき、成果も出やすい。
「特性に合う土俵を選ぶこと」こそが大切だと、そこでようやく気づいたのです。
6. 今の私がマルシェを設計するならどうする?

なぜなら、複数の人と調整しながら進めることは、私にとって「非常に難しい」からです。
それでも「どうしても関わる」となったら、私は裏方に徹するでしょう。
そして最初から、人選を見直します。
これは「どちらが良い悪い」という話ではなく、向き合っている方向が違うだけなんです。
イメージとしては、習い事に近いかもしれません。
例えば「将来プロのサッカー選手を目指す子どもたちが集まるチーム」と、「みんなで協力して楽しくボールを蹴りたい子どもたちのチーム」では、同じサッカーでも目指す方向が全く違いますよね?

私が目指したのは、前者のように「育成や成果を意識したチーム」だったのです。
7.夢や働き方を模索しているあなたへ:10のヒント
私の経験を踏まえて、「これを意識すると前に進みやすいよ」というヒントを10個にまとめました。
これまでの経験を書き出す
うまくいったこと・失敗したこと、そのとき感じた気持ちも一緒に並べる。
自分の得意と苦手を言葉にする
「私は設計が得意」「人と歩調を合わせるのは苦手」など、行動ベースで書き出す。
大事にしたい価値観を3つに絞る
自由・安定・収益・成長…あなたにとって優先度が高いのはどれ?
まずは小さく試してみる
1~3ヶ月だけ、テーマ出店やワークショップ、ブログ連載などを実験。
【BASE】で小さなお店を持ってみる、【ココナラ】で自分の得意をサービス化してみる、そんな“軽い挑戦”から始めてもOK。
「まずは試す」ことが、次につながる一歩になります。
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お金のラインを決めておく
最低限黒字で続けられる金額や、かかる経費をざっくり見える化。
一緒にやるなら“ルール”を共有する
目的・役割・撤退ラインを最初に確認しておく。
世界観の基準を決める
写真のトーンやNG例を一枚にまとめておくと、ブレずに続けられる。
記録を残す
毎回の学び・写真・収支をテンプレにして積み上げる。
心を整える仕組みを持つ
休む日を決める/喜びをメモする/褒めてくれる人を見つけておく。
資産になる形で残す
ブログ、教材、写真素材など「後に活かせるもの」として蓄えていく。

夢を実現するということは、パートナーの収入を充てにするのではなく、自分の「資産」で生きるということ。
それは高価なものを買うためではなく、「自分の時間」と「選択肢」を取り戻すための力です。
8. まとめ:過去は全部、資産になる
私はマルシェ運営で壁にぶつかり、退きました。
けれどその失敗が、私の特性を教えてくれて、オンラインショップ、そしてブログでの発信につながりました。