お盆にNGなお花とは?宗教・宗派・地域で異なる供花の選び方と正しいマナー

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日本には古来から、四季折々の花を大切にする文化があります。
特にご先祖様を迎えるお盆の時期には、亡き人を偲び、感謝を伝える大切な時間としてお墓や仏壇にお花をお供えするのが習わしです。

けれど、ただ「綺麗だから」という理由だけで選んでしまうと、実はマナー違反になってしまう花があるのをご存知ですか?
今回は、意外と知られていない「お盆にNGとされる花」とその理由、さらに失礼にならない贈り方のマナーまで、実体験や花屋での接客エピソードを交えてお届けします。

今回の記事の目次

お盆花にNGとされる代表的な花とは?

画像:生成AI✕MIHO

1. トゲのある花(バラ、アザミなど)

美しく香り高いバラは、お祝いの花束やプレゼントとしては大変人気ですが、
仏事では「トゲ」が「苦しみ」や「不幸」を連想させるため避けるのが一般的です。

特にお盆は感謝の気持ちを表す場なので、
トゲのあるものは「刺さる」「痛みを与える」といった印象を与えかねません。

どうしてもバラを入れたい場合は、トゲをすべて丁寧に取り除き、白や淡いピンクの落ち着いた色味を選びましょう。

2. 香りが強すぎる花(ユリの一部、クチナシなど)

お盆花として定番のユリも、品種によっては香りが強く、仏間やお墓の狭い空間ではご遺族にとって負担となる場合があります。
また、香りが強すぎる花は「邪気を寄せ付けない」との考え方もありますが、線香の香りを邪魔することを嫌う地域も。
どうしてもユリを使う場合は、香りが比較的控えめな「鉄砲ユリ」などを選ぶのがおすすめです。

3. 毒性のある花(彼岸花、スズランなど)

彼岸花は文字通り「お彼岸」の時期に咲きますが、毒を持つ植物として忌み嫌われることも。

「死人花(しびとばな)」と呼ばれる別名もあり、迷信深い地域ではお盆花に使わないのが一般的です。
スズランも可憐で人気がありますが、全草に毒を含むため、小さなお子様やペットのいるお宅に贈る際には配慮が必要です。

4. ドライフラワー・造花はNG?

最近は仏花としてプリザーブドフラワーや造花を贈る方も増えていますが、「枯れない花」「永遠の命」の象徴として良いとする考えと、「枯れない=成仏できない」と受け止める地域もあります。

特にお盆は“迎えて送る”という意味を重視するので、基本的には生花が好まれます。
ただ、どうしても気候やお供えする場所の関係で長持ちさせたい場合は、ご遺族に事前に確認を取ると良いでしょう。

NG花を選ばないために大切なポイント

お盆花は地域や宗派によっても慣習が異なります。
同じ仏花でも、ある地域では良いとされるものが、別の地域ではタブーになることも。

花屋で勤めていた頃、地方から帰省されるお客様が「こっちの地域では白菊だけど、実家ではユリと混ぜてアレンジするのが普通」とおっしゃっていたこともありました。
迷ったときは、必ず贈り先のご家族に一言相談するのが何よりのマナーです。

お盆の花を贈るときのマナー

色選びの基本は白・紫・黄色

仏花の基本色は「白」。
清らかさと慎ましさを表す白は、どの宗派でも無難です。

これに加えて、紫や黄色を入れると、全体が落ち着いた印象になります。

原色や派手すぎる色味、赤い花は「血」を連想させるとして避ける地域もあるので要注意。

花束よりも「籠花」が安心

お供え花を贈る場合は、花束よりも籠に生けたアレンジメントが人気です。
そのまま仏壇やお墓に置けるので、ご遺族の手間を省けるのがポイントです。
「お水を変えるだけで良い」と言っていただけると、贈る側も心配が減りますよ。

供花には立札をつける

遠方からお供え花を送る場合は、必ず「誰からの供花か」が分かるように立札やメッセージカードをつけましょう。
「〇〇家一同」「〇〇より」といった形で記載します。
自分の名前を書かずに送るのは失礼に当たるので気をつけてください。
※連名で送る場合や、会社から送る場合には「書き方のマナー」があるので確認しておきましょう。

ユリをお供えする時の一工夫|花粉を外すのがマナー

画像:生成AI✕MIHO

お盆花としてユリは人気ですが、実はもう一つ忘れてはいけないポイントがあります。
それが「花粉を外すこと」

ユリの雄しべには黄色い花粉がついていて、これが衣服や仏具につくと落ちにくく、大切な場面で汚れを残してしまいます。
特に法事やお墓参りでは、喪服や仏壇を汚さない気配りが大切です。

✅ 花粉を外すとどうなる?
花粉を取っておくと花びらが傷みにくく、花持ちも良くなります。
花屋さんで供花をお願いすると、ほとんどの店では花粉を丁寧に外してお届けしてくれますが、自分で生ける時も一度確認すると安心です。

地域や宗派で異なるお盆花のルール

お盆の供花は、地域だけでなく宗教や宗派の考え方でも微妙に選び方が異なります。
ここでは代表的な仏教・神道・キリスト教での供花マナーを整理しておきましょう。

● 仏教のお盆花の基本

日本で一番多いのが仏教のお盆。
一般的には白を基調に、菊・カーネーション・百合などが選ばれます。
仏教では「菊」は邪気を払う花とされ、日持ちも良いため特にお墓参りで多く用いられます。

✅ 【仏教】で避けるべき花

  • トゲのある花(バラなど)
  • 香りが強すぎる花(カサブランカなど)
  • 原色で派手すぎる花(赤や黒に近い濃い色味)

● 神道の場合

神道の場合、お盆は「先祖祭り」と呼ばれることもあり、榊(さかき)を供えるのが基本です。
ただ最近では、生花のアレンジメントを添える方も増えています。

✅ 【神道】の供花マナー

  • 白い花を中心に、榊を添える
  • 立札には「御玉串料」「御霊前」と書くのが一般的
  • 菊を避ける地域もある(榊を優先する)

● キリスト教の場合

「お盆」としての習わしはなくても、追悼としてお花を贈ることはあります。
特にカトリックでは「追悼ミサ」などで白い花を贈ることが多いです。

✅ 【キリスト教】の供花マナー

  • 白ユリ(純潔の象徴)やカーネーションが好まれる
  • 菊は「仏教の花」とされ避けられることもある
  • 十字架をあしらったカードやラッピングはNG
  • メッセージカードには「安らかにお眠りください」など宗教色のない言葉を選ぶ

4. 宗派で迷ったときのポイント

例えば浄土真宗では、お盆のお供え花に赤い花を入れてもOKとされる場合があります。
逆に、日蓮宗では「線香の煙で清める」という意味合いを大切にし、香りが強い花を避けるなど、宗派独自の考え方が根付いているところも。

同じ仏教でも地域や家ごとに慣習が異なるので、「お盆 供花 宗派 違い」などで検索されることも多いです。
分からないときは、失礼にならないように一度ご家族に確認をするのがベストです。

✏️ ここを押さえれば安心!

✅ 宗派によって花のOK・NGは微妙に違う
✅ 榊は神道だけ
✅ 「迷ったら相談する」が最大のマナー

贈るタイミングも大切

お盆にお花を贈るなら、できるだけお盆入りの前日までに届くようにしましょう。
万が一お盆期間中に間に合わない場合は、「遅れて申し訳ございません」とひとこと添えると印象が良いです。

おわりに|心を込めた供花が何よりの供養に

お盆にお花を贈るのは、ただの習慣ではなくご先祖様や亡き人を想う気持ちの表れです。
だからこそ、地域の風習やご遺族の気持ちを尊重しながら「どんな花がふさわしいか」を選びたいもの。
そして何より大切なのは、贈る人の真心です。
綺麗な花が心を癒やし、ご家族の悲しみにそっと寄り添ってくれますように。

【まとめ】

✅ トゲのある花、毒性のある花、香りが強すぎる花は基本的にNG
✅ 造花やドライフラワーは地域によって意見が分かれるので注意
✅ 贈るときは色味、立札、到着日のマナーも忘れずに

年に一度の大切なご先祖様との時間。
ぜひ心を込めて選んだお花で、穏やかなひとときをお過ごしください。

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